「47歳の女性です。海外在住の私たち夫婦。以前、外国人の友人と観光で日本のお城を訪ねました。そこで大学生ボランティアから英語による無料ガイドを提案されたのですが、友人は英語で遠慮なく質問してしまい...。そのとき、夫のとった行動が意外で驚きました。夫のいいところを再発見できた出来事です」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■外国人観光客の質問に学生ボランティアがタジタジ⁉
2023年1月、海外在住の私と夫(48歳)、そして欧米系外国人の友人Gさん(53歳)で、日本国内を観光した際の話です。
私たちは地方のお城を訪れました。
国内でも有名なお城です。
しかし、当時はまだコロナ禍が落ち着いてから間もないこともあり、外国人観光客はGさんだけでした。
城内を見て回っている最中、若い男性2人組に声を掛けられました。
彼らは地元の大学生ボランティアで、Gさんに対して英語による無料ガイドを申し出てくれたのです。
折角なので、ガイドをお願いすることにした私たち。
2人のうち1人が大学3年生のA君、もう1人は2年生のB君。
B君はまだ研修中とのことで、A君がメインで案内してくれました。
城内の展示物には、鎧や甲、武器や書物などさまざまなモノがありましたが、A君は慣れた口調で丁寧に説明してくれました。
英語も流暢で、随分練習したんだろうなという印象でした。
しばらくは3人とも彼の説明に「へ~」という感じで耳を傾けていました。
途中から、Gさんが細かい質問をし始めました。
Gさんは好奇心旺盛で、気になったことは何でも質問するタイプ。
とりわけ戦国時代の品々ともなれば、聞きたいことがたくさんあったようです。
すると、Gさんから質問を受けたA君の表情が強張りました。
恐らく、想定外のややこしい質問をされたのでしょう。
慌てて、手にしていた資料をパラパラめくって答えを探し、それまで流暢に話していた英語は徐々におぼつかなくなりました。
あらかじめ準備しておいた回答には慣れていても、イレギュラーな質問に返答するほどの英語力は備えていなかったのです。
Gさんは容赦なく突っ込んだ質問を繰り返し、A君は目に見えてどんどん萎縮し、B君はおろおろ。
変な緊張感が漂い出し、私は心の中で「突っ込んだ質問はやめてあげて」と思っていました。
■困り果てた学生たちを救った「普段は愚痴ばかり」の救世主
A君が言葉を発せなくなっていたそのときです。
夫が横から「歴史モノを英語に訳すのって難しいよね」とフォローしたのです。
張り詰めた空気になっていたので、思わず私もホッとしました。
A君も「そうなんです。難しいんです。僕たちもまだまだ未熟で」と、表情を和らげていました。
海外在住で実践経験も豊富な夫は「どれどれ」と資料を覗き込み、「うわ、難易度高いね」と理解を示しながら、学生に代わってGさんに説明してあげていました。
A君たちは「なるほど、そういうふうに説明するんですね」と感心し、メモを取っていました。
とても素直で真面目な青年たちに感心され、気をよくした夫はその後も彼らをサポート。
さすがに聞いたこともない専門用語には苦戦していたので、私も協力してスマホの辞書や翻訳機能を使いながら、何とかGさんを満足させました。
最後はA君たちと「いい勉強になったね~、ありがとう」と、お互いに言い合って別れました。
夫は「歴史のテストで満点が取れそうだよ」と、寒い冗談まで言っていました。
家では職場の後輩への不満をタラタラ垂れている夫ですが、何だかんだ面倒見がいいんだろうな~と、そんなことを思わせる意外な一面が見れて、少し感動しました。
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