<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ももこ
性別:女性
年齢:43
プロフィール:43歳、2人の子ども(男17歳、女15歳)を育てるワーキングママ。忙しい暮らしのなかに人生のスパイスを見つけるのが得意です。
私の趣味はお菓子作りです。
子どもの頃からケーキやクッキーなどを作るのが大好きでした。
幼少時から絵を描くのも好きで、美術関係の学校に進学して絵画を勉強しました。
その後20代で結婚し、子どもが生まれてからはお菓子作りと絵という特技を生かし、キャラケーキやキャラクッキーを作るようになりました。
長男が幼稚園の最終学年になった約11年前、私はPTAの役員に選出されました。
この幼稚園では、毎年夏祭りが開催されていました。
その少し前に資金集めの目的でバザーが行われるのですが、これは一般にも開放される一大イベントです。
販売するものとしては、新品の不用品、美品であれば幼稚園の制服や上履きなどの中古品でも歓迎。
その他、手作りの手芸品やアクセサリー、お菓子なども並びます。
さらに、近隣のパン店や菓子店も数量限定で商品を提供してくれるなど、小さな幼稚園にしては充実しているバザーでした。
この年、役員だった私は、このバザーを取り仕切ることになりました。
出品は任意ですが、私は得意のキャラクッキーを出品することにしました。
当時流行っていたアニメの中から、男の子と女の子に人気のキャラクターをそれぞれ1つずつ選び、張り切って作りました。
できあがりは我ながら上々! ラッピングはキャラクターがよく見えるように透明の袋に入れて、裏をかっこいいシールでとめ、女の子用には可愛らしいリボンを結びました。
開店前、手作りのお菓子類、それからパン店、菓子店の商品がぞくぞくと到着したのですが、菓子店の商品もまさかのキャラクッキーだったのです!
当日まで何を提供してくれるのか分からなかったので...。
たしかに、真夏に生クリームたっぷりのケーキを常温で販売するは危険ですし、クッキーあたりが無難ですよね。
あぁ、なぜ気がつかなかったんだろう。
どうして、私がここまで焦ったかというと、クッキーに描かれている絵が、私のほうが上手に見えてしまったからです。
他の役員のママ友からも「ももこさんのほうが上手じゃない?」というつぶやきが聞こえてきました。
その菓子店はとてもおしゃれで、普段キャラクッキーを販売するようなお店ではないのですが、今回は子どもを喜ばせようと特別に作ってくれたのでしょう。
厳しい人なら「空気を読みなさいよ」なんて言うかもしれませんが、私だって良かれと思って作ったんですけどね...。
私のキャラクッキーは飛ぶように売れ、ものの数十分で売り切れました。
一方、菓子店のキャラクッキーも売り切れたのですが、売り切れたのはバザーの終わり間際。
うれしいはずなのに、なんだか申し訳ないような、いたたまれないような気持ちでモヤモヤ。
菓子店の人に「ごめんなさい」と言うのも変ですし、後味の悪い結果になってしまいました。
しかし、なんだかんだあったものの、その年のバザーの総売上はおおよそ25万円!
小さな幼稚園のバザーにしては上出来だったと思います。
夏祭りには花火を上げることもでき、子どもたちも大いに盛り上がってくれました。
私のモヤモヤした気持ちも、打ち上げ花火のように夜空に散らしたかったのですが...。
10年以上経ったいまでも思い出す、ちょっぴり苦い思い出です。
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