<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろえもん
性別:女性
年齢:58
プロフィール:海辺の街で猫3匹と夫と暮らす関西の普通のおばちゃんです。
50年以上前、私が小学校に通い始めた頃のお話です。
両親は共働きのため、私と姉は祖母に世話をしてもらっていました。
祖母は何でも言うことを聞いてくれる優しい女性で、裏を返せば子どもを甘やかしすぎるタイプでした。
姉は低血圧で朝起きるのが苦手。
学校に行きたくないとダダをこね、挙げ句の果てに「学校行ったるから脚さすれ!」などと祖母に暴言を吐く始末。
かくいう私も赤ちゃん返りし、横綱並みのぽっちゃり体型で、か細くて体力のない祖母に抱っこを強要...祖母はさぞかし辛かっただったろうと思います。
その私たちの依存心の最たるものが、トイレの習慣でした。
我が家では「トイレに行きたい」と祖母に告げると、祖母が私たちのパンツを下げてくれました。
用を足して手を洗い、トイレから出ると祖母がパンツを上げてくれるという習慣だったのです。
つまり『パンツを下げる→用を足す→手を洗う→パンツを上げる』の順番が正しいと思い、幼稚園でもずっとそうやっていました。
そして小学生になって、初めて我が家の恥ずかしい習慣に気づくことになりました。
ある日の休み時間、トイレに入ったときのこと。
小学校に祖母はいませんから、当然パンツは自分で下ろし、用を足しました。
問題はその次です。
いつものようにパンツは上げず、洗い場でお尻丸出しのまま手を洗っていました。
すると、私に向かって他の子が「え〜っ! うそやろ!」と大きな声で叫んだのです。
「え? 何が?」と思わず聞いてしまった私。
「普通、外に出る前にみんなパンツ上げるで!」と言われ「ホンマなん⁉」となりました。
みんなにとっては常識かもしれませんが、私にとっては晴天の霹靂です。
なんなら、まだ洗っていない不潔な手で清潔なパンツに触ることのほうが違和感...ぐらいです。
お尻丸出しに対する羞恥心はまだ芽生えていませんでした。
「これは大変! 姉ちゃんにも教えなきゃ」と思い、小学校で指摘されたことを早速姉に伝えたのですが...。
「実は私も昔、友だちに言われて気づいてん。まさか、あんたもやってたん?」と笑われてしまいました。
4歳年上の姉はずっと前から知っていたようです。
「なんでその時に教えてくれなかったの!」と心の中で叫びました。
私の奇行に不快感を覚えたであろう多くの同級生に、申し訳なかったと大いに反省しています。
子どもは家の中でやってることと同じことを外に出てもやろうとするので、社会に送り出す前に、細かい点まで矯正しておいたほうが良いかもしれません。
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