14歳の息子を持つ男性と結婚したべにゆうさん（当時40歳）が、悩み、傷つきながらも家族との距離を縮めていく実話コミックエッセイ『14歳男子の継母になった私』がKADOKAWAより出版されました。原作者のべにゆうさんが新しい家族と生活する上で大変だったことについて語ってくれました。
―初婚でいきなり14歳男子の母になるというのは、難しい場面が多々あったのではないでしょうか？
べにゆう：日々の生活の細かな場面で困ることがありました。例えば、洗濯物の出し方、お風呂の使い方などです。夫とは話し合ってお互いに生活スタイルを合わせていくことができましたが、息子に対してそうはできませんでした。たぶんもっと小さい子どもだったら、すんなり伝えられたんじゃないかな...。でも息子は14歳。生活のルールはすでに身についているものがあります。今まで教わってきたことを否定したくなかったので、直して欲しい時にどう言ったら良いのかすごく悩みました。
14歳息子と継母の「愛の駆け引き」それは家庭の食卓で始まった！
―会話が弾まない2人きりの食卓は、緊張感が伝わってきて、読んでいてハラハラさせられました。
べにゆう：夫は、「元気はべにゆうさんとご飯2人でも大丈夫みたいだよ」と言うのですが、私は正直「いや～2人は困る...どうしよう」と頭を抱えていました。会話の間が開き過ぎたら気まずいだろうと、食事を始める前に質問を用意しておくこともありました。だいたいは学校のことや部活のこと、バイトのことなどです。でも息子の答えは、「同じ」「大丈夫」「微妙」「普通」という感じで、すぐに会話が終わっちゃうんですよ（笑）。無音状態に耐えかねたので、テレビでバラエティ番組を流しておいて、そこからなんとか会話のきっかけを探していました。
自分なりの考え方や生活スタイルを既に確立している14歳という年頃。そんな子供とも大人とも言えないような年頃の男子と一緒に暮らす大変さをしみじみと噛み締めるべにゆうさんなのでした。
取材・文／宇都宮薫
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