14歳の息子を持つ男性と結婚したべにゆうさん(当時40歳)が、悩み、傷つきながらも家族との距離を縮めていく実話コミックエッセイ『14歳男子の継母になった私』がKADOKAWAより出版されました。書籍化を記念し、原作者のべにゆうさんに作品に込めた思いや「ご自身の結婚について」聞きました。
―旦那さんとはどんなふうにして出会ったのでしょうか?
べにゆう:夫は前の奥さんと離婚してから8年間ほど、育児と仕事のみに集中して過ごしていましたが、2011年の東日本大震災を体験したことで、「もう独り身でいたくない。もう一度、人生の経験や愛情を分かち合えるパートナーが欲しい」とひしひし感じたそうです。私も同じような思いで、真剣モードの婚活中でした。そんな中、結婚情報サイトで出会い、その時に全く同じ本を読んでいたことからお互いに興味を持ったんです。夫はいつも気さくに話しかけてくれて、普段は会話ベタな私も「なぜかこの人となら話が膨らむ!」と感じていました。でも夫の方は、なぜか私に騙されるかもしれないと思っていたんですって(笑)。
―家族のことについて書こうと思ったきっかけを教えてください。
べにゆう:結婚して3人で暮らし始めた当初は、慣れないことばかりでとにかく大変な日々でした。ネットでステップファミリーの体験談を探したり、子育て本を読み漁ったりしたこともありましたが、教科書通りにいくことは少なかったですね...。それでも、毎日一緒に生活するうちに、徐々に息子と良いコミュニケーションが取れるようになってきて、「日々のことや自分の思いを言葉で残しておきたい」と思うようになりました。自分の家族についてネットで発信することに不安もありましたが、夫に相談すると「自分たちの話を残してくれたら嬉しいよ」と言ってもらえたんです。自分の経験を誰かに共感してもらえたら嬉しいし、そのことが自信にも繋がりますしね。
えっ...未婚の私が「14歳男子」の母親に? 不安しかない!
―大きな子どもがいる人と結婚することについて、当時の心境はいかがでしたか?
べにゆう:出会った時から子どもがいる人だとは知っていたし、自分でよく考えて選んだつもりだったけど、「間違っているかも知れない......後悔するかもしれない......」と不安に押しつぶされそうになる日もありました。だけど考えすぎても始まりません。「ちゃんと考えて決めた。この人と息子と新しい人生を歩むのだと。あまりお気楽に考えてもいけないけど、心配は尽きないものだから」と自分で自分を納得させ、割り切って考えるようにしていました。
よく考えて子どものいる人との結婚を決めたつもりだけど、どうしても拭えない不安感...。それでも、べにゆうさんは夫と息子との新しい人生を歩むべく、どこかぎこちない「3人家族」をスタートさせたのでした。
取材・文/宇都宮薫
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