<この体験記を書いた人>
ペンネーム:りゅうこ
性別:女性
年齢:40
プロフィール:先日、誕生日を迎えました。充実した40代を送りたい!
忘れもしない2017年12月のことです。
某携帯ショップで働く派遣社員だった私は、派遣切りにあってしまいました。
ここまでならよくある話かもしれません。
しかし、私の場合は切られ方があまりにひどく、派遣会社から「倫理的に問題がある」とまで言われました。
当時、私は派遣社員の身でありながら、店長(35歳)から、社内の某資格を取るようにお願いされていました。
それが合格率5%を切るような難易度だったので、猛勉強を余儀なくされていたのです。
しかも、ペーパーテストだけではなく実技テストもある試験で、家では喉が枯れるほど声を出して練習する必要がありました。
仕事と子育てを両立させるだけでも大変なのに、そこに勉強も加わるのですから、自由時間なんてありません。
その期間は半年にも及びました。
正直、かなりしんどかったです。
しかし、店長からのお願いでしたし、周囲から期待されていることも分かっていたので、私は弱音を吐かずに頑張っていました。
それなのに突然、派遣切りにあったのです。
12月のある日、私は店長に会議室に呼ばれました。
資格試験に関することだろうと思っていたら、部屋に入ると、なぜか派遣会社の担当者(40代)が同席していました。
この時点で、自分が派遣切りにあうとは微塵も思っていませんでした。
なぜなら、2日後が例の資格試験を受ける日でしたし、つい先日に来年以降のシフトを聞かれていたからです。
もっと言えば、来年2月の出張イベントの名簿に私の名前がありました。
だからこそ、店長の口から契約を更新しないことを聞かされたときは、大きな衝撃を受けて、恥ずかしい話なのですが、私は泣いてしまいました。
店長は私の反応を覚悟していたようです。
「あなたに問題があったわけじゃない。本社が下した決定で、本当にどうしようもないことなんだ。すまない」
何度も何度も、私に落ち度がなかったことを強調しながら謝ってきました。
しかし、私が猛勉強した半年間は返ってきません。
どれだけ謝られても、時間と労力は返ってこないのです。
「制度的に問題はないが、倫理的に問題がある。この仕事を長年やっているが、こんなにひどいケースは他にない」
同席していた派遣会社の担当の方は、自分の立場を越えて怒ってくれました。
しかし、本社の決定が覆ることはなく...。
私は店長に「裏切られた気持ちでいっぱいです」とだけ伝えて、大人しく派遣切りにあうしかなかったのです。
その後は、子どもがいるので表面上は取り繕っていましたが、1カ月ぐらいはふとした瞬間に涙が零れてしまうような状態でした。
こんなことがあり得るのか、許されるのか、と、答えの出ない問いかけが頭の中をぐるぐると巡りました。
今にして思えば、派遣の身である以上、心のどこかで「覚悟」はしておくべきでした。
あまりに弱い立場に身を置く者の、己の精神を守るための最低限の鎧とでも言えばいいのでしょうか。
せめて今後を生きる上での学びにするしかないと、今は思っています。
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