<この体験記を書いた人>
ペンネーム:りゅうこ
性別:女性
年齢:40
プロフィール:先日、誕生日を迎えました。充実した40代を送りたい!
私の祖母(86歳)は、10年前に祖父に先立たれてから一人暮らしをしています。
しかし、本人は頭も足腰もしっかりとしており、身の回りのことはまだまだ一人でこなせます。
足りないところは近所に住んでいる私の母(65歳・義理の娘)が助けているので、問題なく過ごしていました。
しかし、祖母としても「いつまでもこのままではいられない」と思ったのでしょう。
3年前のある日、突然「今のうちに有料老人ホームに入所しておきたい」と私たちに告げたのです。
有料老人ホームはお金も相当かかりますが、祖母はいくらか蓄えがあるようですし、要介護度1の祖母はそもそも特養には入居できません。
祖母が自分で判断できるうちの大きな決断を、尊重しない理由はありませんでした。
とはいえ、いくら元気といっても、祖母は一人で行政とやりとりしたり、ネットを駆使したりできるわけではありません。
そのため、有料老人ホームに入居するための手続きは、すべて私と母が代理で行いました。
具体的には、ケアマネさんとのやりとり、老人ホームの見学、入居前の要介護度認定、健康診断、大量の契約書への記入、そして引っ越しのための手続き等です。
一人の人間に「終のすみか」を用意するのですから、相応の手続きがあるのです。
すべての手続きをこなした私たちに祖母は感謝しながら、老人ホームに引っ越していきました。
しかし、いざ住んでみると本人のイメージと違ったようで、2日たたないうちに「何かが違うんだよねえ」と言って、あっさり帰ってきました。
それはまったく問題ありません。
もともと「お試し期間」でしたし、いざ入所してみたら「思っていたのと違った」と思うことはあるでしょう。
しかし、祖母としては「その老人ホームが合わなかっただけ」なので、他の老人ホームへの入居はあきらめていないようでした。
私たちに「別のところを探してほしい」と言ってきたのです。
もちろん、私たちは快く承諾して、再び手続きをしました。
そして、祖母はまた引っ越していったのですが...。
今度も2日たたないうちに「何かが違うんだよねえ」と、前回とまったく同じことを言いながら帰ってきたのです。
この時点で、私と母は嫌な予感がしていました。
そうなのです。
あれから3年しかたっていないのですが、祖母はこれを「9回」繰り返しています。
一人の人間を引っ越しさせるのですから、バカにならない労力がかかるのですが、入居しては2日で帰宅するという「なんちゃって入居」を9回も繰り返しているのです...。
本人は「迷惑かけるねえ、もう3回も帰ってきちゃってねえ」と言ってますが、違います! 9回です!
そして、これを書いている今も10回目の「そろそろ入所しておきたい」が来ています。
誰も老人ホームに入居してくれなんて言っていないのに...いい加減、勘弁してほしいです!
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