<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yobo
性別:女性
年齢:47
プロフィール:体力の限界と戦う2児の母です。
2004年秋、私は同世代の友人同士で松茸狩りに行きました。
私も友人も松茸狩りは初めて。
採れたての松茸にありつけるめったにないチャンスなので、とても楽しみにしていました。
この松茸狩りは、通りすがりに行けるようなものではなく、あらかじめ予約が必要でした。
そして当日。
車で山を登り、目的地に着くと、先に料金(1人5000円)を支払い、いざ山中へ。
初めてなのでなかなか松茸を見つけられない私たちに、案内してくれた65歳くらいの男性は「この辺にあると思うよ」と器用にヒントを教えてくれます。
それでもヒントだけではやっぱり見つけられないド素人の私たち。
このあたりから、案内人のヒントはだんだんと具体的になっていきます。
私たちがうっかり松茸を見逃して通り過ぎたときには「あそこにあったよ」、キョロキョロしているときには「ほら、ここだよ」「ほら、あっちにもあるから」と...。
最初は「さすが!」と思っていたものの、あまりに見つけるのがスムーズ過ぎるのが気になり始めました。
そのうちに、友人が小声で「ねぇ、松茸を採るときに簡単に抜けるんだけど?」と言い始めました。
「松茸狩りって松茸を引っこ抜くんじゃないの?」
疑問を持った私たちは、そこから松茸を採るときの抵抗を気にし始めます。
スポッと抜けるどころか、倒れて転がっている松茸までありました。
予感は確信に変わります。
「絶対、あらかじめ置いたやつだよね?」
「予約が必要なのは、置いておくなどの準備が必要だったからでは?」
などと話しながらも、案内人に対してはだまされたふりをして、初めての松茸狩りを終えました。
帰り道「あの松茸はどこ産なのか?」という話でもちきりになったのは言うまでもありません。
もともと、1人5000円は私たちのお財布事情には少し高いものでした。
それでも「国産の採れたての松茸を狩るという体験をして、さらにそれを持ち帰ることができる」という内容に納得して支払っていたのです。
しかし、仮にこれがその山で採れたわけではない、もしかしたら国産ではないかもしれない松茸を、その都度出してきて置いているとしたら、5000円の価値がないかもしれません。
もちろん、持ち帰った松茸は「今日あの山で採ってきた!」と自分を信じ込ませて、美味しくいただきましたが...。
ちなみに、私もそのときの友人も、その後の人生では一度も松茸狩りには行っていません。
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