<この体験記を書いた人>
ペンネーム:なんとも
性別:女性
年齢:53
プロフィール:夫+高校生2人+私の4人家族です。現在、久々の専業主婦を満喫中です。
50代半ばの主婦です。
コロナ禍より少し前、2019年も終わろうとしていた頃、私は隣町の食品工場でパートをしていました。
そこで一緒に働いていた同僚の主婦・M子の話です。
M子は当時40代前半で、家族は会社員の夫、子どもは一番上の中学生をはじめ3人いました。
性格は悪くなかったのですが、他人のうわさ話が大好物。
主な話題は「ママ友の不倫」でした。
なんでも、M子の子どもが通う中学校のPTA役員同士でダブル不倫があったそうで、それを面白おかしくしゃべりまくっていました。
M子も同じPTA役員だったそうです。
「アタシ、ママ友だからいろいろ知ってるんだぁ!」
そんなことを言って得意満面に語るM子の話によると、不倫ママのお相手はママ友の間で人気のイケメンパパ。
どうやら、年末の役員懇親会がキッカケとか。
しかし、2020年を迎えコロナ禍となり、学校行事等は次々と中止になってしまいました。
「例の不倫カップル、行事が中止になって会えない時間がナントカやらで、ますます火が点いたんだって!」
「ふーん」
M子はいやねぇと言いつつ、楽しそうにしゃべるしゃべる。
内容も具体的で、私は辟易するしかありませんでした。
そんな中、急にM子の欠勤が続き、そのまま退職してしまいました。
数日後、M子の夫が菓子折りを持ってあいさつにやって来ました。
「本人が伺えずに申し訳ありません。M子は体調不良のため、今実家に戻っております」
私はなぜか、頭を下げた彼の薄い頭頂部に目が行ってしまいました。
そんなこんなで、Ⅿ子の退職理由はウヤムヤなままとなり、私も程なくして一身上の都合により退職しました。
それから約1年後。
私は長男が通う学校の行事で、Y美という保護者と知り合いました。
たまたま近くに座った彼女となんとなく意気投合。
聞けば、隣町学区に住んでいるとのこと。
雑談の流れで、Y美は自分の住んでいる地区の学校のうわさ話を語り始めました。
「コロナが流行りだした頃かなー。ウチの学区の中学校で、どこかの保護者がダブル不倫をやらかして、大騒ぎになったんだって!」
ふと、どこかで聞いたような話だなあ...私は瞬時にM子を思い出しました。
M子が面白おかしく話題にしてた、前述のママ友のことだろうか? と。
聞けば聞くほど、それっぽい内容でした。
しかし、この後に聞いた内容は...妙にゾワゾワする展開でした。
Y美「でも、とうとうバレてお互いに家庭崩壊! 当然っちゃ、当然だわね! 誰と誰とか特定はされなかったけど、そんなのわかっちゃうじゃない? 不倫パパ、離婚したんだって! 不倫ママのほうは離婚を免れたらしいけど、実家に帰されて、3人いる子どもとも当分面会禁止なんだって! パートも旦那さんが強制的に辞めさせたらしいわよ! 食品加工の〇〇工場って聞いたことない? 長年勤めてたらしいけど」
〇〇工場? 私が以前パートに行ってた職場でした。
聞けば聞くほど、その不倫ママ、当時のM子の状況に酷似していました。
時期的にもぴったり...。
「不倫ママのダンナさん、この騒動のお陰であっという間に禿げたって聞いた! 気の毒~」
気の毒〜、と言いながら彼女はそんな様子を微塵も見せず、面白そうにしゃべり倒していました。
私は、M子の夫が工場へあいさつにやって来た日の、あの淋し気な頭頂部を思い出し、胸が詰まりました。
Y美も「他人のうわさ話」が大好物のようで、芸能レポーターになれそうです...。
この「不倫保護者」、ほぼほぼM子で確定だろうと思うとゾワっとしました。
当時、他人のうわさ話として、微に入り細に入り楽しそうに話していたM子。
当事者だとしたら、そりゃ詳しいでしょう。
人に言えない罪を背負っても、他人のうわさ話にしてしまえばOKなのでしょうか?
そんなM子の訳のわからないメンタルに、ゾワゾワが止まりませんでした。
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