「大切な人と別れるとき、私は次に会うときまで元気でいてほしい、そしてまた会いたい。そんな思いを込めながら相手が見えなくなるまで手を振るようにしています。それを教えてくれた私の大切な友人はこの世にいませんが、素敵な思い出として胸に刻まれています」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
現在私は51歳の会社員。
この51年間で2度、大切な友人との死別を経験しています。
一度目の別れは 30年前、私が21歳、友人は29歳でした。
私が大学入試に落ちて予備校に通った19歳の頃のことです。
予備校に通い始めて1カ月ほどたった頃、いつも食堂の窓際や自習室で、1人で静かに勉強している彼女に出会いました。
高校を出たばかりの私を含めた一般的な女子は群れたがるけれど、彼女は自ら1人を選んで、意図的に気配を消しているようにも見えました。
私が受ける授業では見かけないところを見ると、文系の私とは別クラスの理系なのかな?
容姿はすらりとして、横顔も端正、服装等は90年前後のバブル後半期にしては地味でしたが品がありました。
彼女のことが気になり始めて1カ月後、彼女に話しかけようと決意しました。
食堂の窓際の席で「隣、いいですか?」から始め、「理系なんですか?」と聞くまで2日かかり、まずは私のことを話しました。
気配を消しているのに勝手に近寄ってくる私は迷惑だろうなとは思いましたが、彼女は優しく相手をしてくれました。
遠慮がちに彼女が自己紹介をしてくれて分かったことは、彼女は少女のように若々しく見えるけれど、一度理系の大学を卒業し、就職していたこと。
そして仕事をしている中でスポーツドクターになりたいと思うようになり、27歳で医学部に入学しようとしていることです。
彼女ははっきりとは言わず、できれば隠しておきたい様子でしたが、彼女が卒業した大学も、次に目指す医学部も難関校。
就職した先も有名企業で、とても優秀な大人の女性だと分かりました。
そしてすでに結婚してご主人もとても理解のある方だということも。
彼女が現在も成績優秀だということも、予備校が貼りだしている成績優秀者の掲示で知りました。
彼女の魅力は次第にほかの予備校生たちにも伝わっていき、彼女の周りに輪が広がるように友人が増えていきましたが、彼女はいつも静かで控えめでした。
漫画:すずはる/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記
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