<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子育て中の主婦です。
私の父方の叔父は自営業を営んでおり、私の住む田舎町ではちょっとしたお金持ちで、愛人まで抱えています。
田舎で隠し事はできません。
叔父と愛人のことは、町では公然の秘密となっています。
幼い頃はそんなことを知らず、いつもおもちゃを買ってくれる叔父が大好きでしたが、愛人の存在を知ってからは嫌いになりました。
叔父にはとても優しい素敵な奥さんがいて、私と同い年の跡取り息子もいます。
それなのに叔父は、月に一度はその愛人を連れて旅行に行くのです。
毎月の旅行も田舎町ではみんなが知っているため、奥さんが知らないわけはないのです。
どんな思いで叔父と一緒に生活しているんだろう、と思い、奥さんにとても同情していました。
最悪なことに、昨年、叔父は愛人のために家を建てました。
それも、家族で住んでいる家のすぐ裏の土地に愛人の家を建てたのです。
叔父は、奥さんの作った食事を自宅で食べてから、愛人の家へ通うという最悪の行動を平気でしています。
この叔父さんだけでも信じがたい非常識な人だと思うのですが、なんと私と同い年の息子のN君も、叔父と全く同じ人間になってしまったのです。
幼い頃は一緒に遊ぶこともよくあったN君は、ハンサムでお金持ち、家庭教師が何人もいて成績もよく、子どもの頃から女子に人気でした。
東京の有名私立大学を卒業したN君は、大学卒業後すぐに地元に戻ってきて跡継ぎとして叔父の会社で働き、30歳になってすぐの頃、叔父の選んだ人と結婚しました。
しかしN君は、地方にある会社の工場へ出張だと言っては浮気を繰り返していたのです。
町の外で浮気をしていたので、N君の浮気は町の噂になっていません。
しかし、新婚のときも子どもが幼い頃も浮気を繰り返すN君に傷つけられたお嫁さんは、当然のことですが、離婚を決意して行動を起こしました。
お嫁さんは浮気の証拠をかき集めて、私も参加した親族の食事会で、N君の浮気を暴露したのです。
お嫁さんの必死の行動を見て、私は心の底からN君に怒りを感じました。
私自身、専業主婦として子育てに必死になっていた頃だったので、とても許せることではないと感じました。
ところが、必死の覚悟で訴えたお嫁さんに対し、叔父の奥さんはこう言ったのです。
「こんなのただの遊びでしょう? 目くじらたてることないのよ、いちいち怒っていてどうするの?」
お嫁さんに対し、少し勝ち誇っているように見えました。
奥さんは結婚してからずっと叔父さんの浮気に苦しめられてきたはずなのに、N君のお嫁さんの気持ちを分かるのは奥さんのはずなのに...。
理解を示すどころか、息子の浮気を肯定してお嫁さんに我慢を強いるとは...。
自分がした我慢は嫁にもさせるということなのでしょうか? 私には到底理解できないことでした。
お嫁さんは黙って泣きながらその場から帰ってしまったのですが、叔父も奥さんも、もちろんN君もお構いなし。
こんなにひどい話があるのか、と呆然としてしまいました。
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