<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子育て中の主婦です。
今年39歳になる7歳年下の弟がいます。
自由な独身生活を楽しんでいた弟も、とうとう結婚することになりました。
弟は4人兄弟の末っ子で、昔から家族みんなにかわいがられていましたが、どこかオマケのような存在でもあります。
弟にとって人生の一大イベントであるはずの結婚についても、家族はみんな祝福しているのですが、ついいじってしまうところがあります。
2022年のお正月、弟は婚約した彼女を連れて帰省しました。
弟は遠方に住んでいて、帰省は数年ぶりです。
彼女は弟より2歳年下、30代後半の自立した素敵な女性で、2人は落ち着いた大人のカップルという雰囲気でした。
親族の集まる食事の席で、弟が彼女を紹介しました。
いつもはいじられキャラの弟ですが、親族一同、心から彼女を歓迎していましたし、彼女の手前もあって弟をいじるようなことはせず、とてもいい雰囲気だったと思います。
弟はそのまま実家に数日滞在する予定だったので、彼女だけが一足先に帰りました。
彼女を駅まで送った弟が戻ってきたときです。
少し飲み過ぎていた父親が、弟に向かって、弟の彼女の外見をいじり出しました。
弟の彼女は有名な女性芸人さんにそっくりでした。
おそらく、その場にいた親族の大半がそのことを感じてはいましたが、それを言うと彼女の気分を害すのではないかと空気を読んでいたのだと思います。
芸人さんの容姿をあれこれ言うのも何ですが、初対面の女性に「あの人に似ている」というのは誉め言葉としては受け取りづらい女性芸人さんではあるのです。
しかし、酒が回った父親は饒舌になってつい...。
さすがにそれはまずいだろうと、私と他の兄弟が父親を止めようとしたのですが、結婚が嬉しくて酔っぱらっている父には通じず、大笑いしながら大きな声で女性芸人さんの名前を連呼。
ついには、彼女の話をするときに、その女性芸人さんの名前で彼女のことを呼ぶ始末です。
私が弟の立場だったらすぐに怒りますが、いつもいじられてばかりの弟は父親の失礼な言動を流していました。
ところが、父親だけでなく調子に乗った叔父たちも弟の彼女のことを女性芸人の名前で呼び始めてしまい、ついに弟の怒りが爆発。
突然大きな声で、「二度と帰ってこない!」と怒鳴るとタクシーを呼んで、数日滞在する予定だったのに、荷物をまとめてさっさと帰ってしまったのです。
せっかく彼女を連れて帰ってきたのに、その彼女を親族の前で侮辱されたのですから、弟が怒るのも無理はありません。
その場に居合わせていた私も悪かったと思い、出て行った弟にすぐに電話して謝りました。
父親と一緒に彼女の悪口を言った叔父にも電話を代わり、謝ってもらいました。
ところが、張本人の父親が、「何が悪いんだ!」と言って謝りません。
一番謝らなければならないのは父親なのに!
母と私で父を説得し、翌々日、父はようやく弟に電話をして謝罪しました。
短く一言、「悪かったな!」と言っただけで謝罪とは言えないようなものでしたが...。
結婚式はまだ未定のようですが、その時には親族一同、2人を祝福してあげたいと思います。
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