<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
15年ほど前から家業に携わっています。
両親が始めた商売ですが、跡を継ぐ人がいませんでした。
最後はどうするのかハッキリしない状況だったので、もったいない気がして自分がやろうと思ったのです。
6年ほど前に仕事を引退して車の運転もやめた父は、出かけるのが好きなこともあって、日中はほとんど私と一緒に行動しています。
身体は衰えても知恵を貸してくれるところや、話し相手になってくれるところはありがたいのですが、ちょっと困ったことも出てきました。
今でもお客様の中には父に仕事の依頼をしてくれる人がいて、父にとっても張り合いになるし嬉しいことなのですが、電話を受けると父は勝手に予定を入れてしまうのです。
そして、そんなときに限って私の予定が空いていなくて、寸前になってバタバタしてしまうことがしばしば。
父が自分で作業ができれば、受けた仕事は「お父さん、行ってきてね」と任せられます。
でも、車に乗っていませんし、そもそも移動の手段がないのだからどうしようもありません。
慌ててお客様に電話を入れるか、猛スピードでこなす羽目になります。
心にゆとりのない自分のことを情けないと思いつつも、結局はキツイ言い方で父を責めてしまいます。
そんなことがあった後、2人きりの車内の空気はドヨ~ン。
無口な父は平気かも知れませんが、私はこの時間が苦手で、仕事を引き受けるときは何度も私に聞いてから約束してとお願いしました。
もともと頑固というか自分本位な人でしたが、82歳になる今、ますます磨きがかかってしまい、全く言うことを聞いてくれません。
少し歩み寄って、父が私のスケジュールを一目で分かるようにコピーしたカレンダーを渡しました。
それを見ながらお客さんと話してね、とお願いしてもダメ。
もう「頑固」という言葉がかわいく感じるくらいに変化なしです。
面倒くさく感じているのは分かるのですが、それでも行き過ぎじゃない? 人が困っているのに気にならないの? 不思議に思って母に相談してみました。
母によれば「見栄を張りたい気持ちが大きいんじゃないかな」とのこと。
ずっと人に相談することなく予定も含めて決めていたワンマン社長だった父が、娘に聞かないと即答できない状況は受け入れられないのかもしれない、と。
そう言われると、ちょっと納得です。
家庭のことに関しても父の一言が「鶴の一声」だった我が家。
引退したからといって、今さら昔から知っている人の前で、娘の指示に従う姿は見せたくないのかもしれません。
そう考えると怒っちゃいけないと思うのですが、やはり仕事を勝手に受けるのは許せません。
最終的にけんかしてしまうことも多く、どうしたらいいのか頭を悩ませています。
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