<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。
今から25年前、私が27歳の頃の話です。
当時は一人暮らしをしていて、休みの日にはよく実家に帰っていました。
特に何をするとか予定はなく、ブラブラしていたせいか、隣の家の同級生と偶然顔を合わせることが何日か続きました。
彼とは小学校と中学校が一緒で、小学校の頃は放課後によく遊んだ間柄です。
面倒見がよい彼は何かと不器用な私のことを、嫌な顔をせずフォローしてくれたのを覚えています。
高校は別だったのでいつの間にか疎遠になりましたが、友人なのは変わりません。
久しぶりに会うと誘われるがままに、彼の趣味のゴルフの打ちっ放しに付き合ったり、お茶をしたりするようになりました。
お互いに甘いものが大好きで、そんな点も誘われる理由だったのだろうと思っています。
私もぽっちゃりさんの彼が一緒だと「たくさん食べても大丈夫」という不思議な安心感が湧いてくるので、喜んで出掛けていました。
しかし、しばらくして母から、彼と出掛けるのは控えたほうがいい、と言われました。
それまで反対するような素振りもなかったのに、突然の意見にビックリです。
最初は冗談と解釈して聞き流そうとしましたが、後日、改めて言われてしまったので何があったのか聞いてみました。
言いにくそうにしながら、ぎこちない口調で母が教えてくれた内容は衝撃的でした。
なんと、彼のお母さんが「息子が〇〇ちゃん(私)にたぶらかされている」と近所の人に触れ回っているとのこと。
たぶらかすって死語でしょ?
それにしても、そんなことを言われているとは思いもしませんでした。
子どもの頃からの仲なのに、どうして今さらそんなふうに言われてしまうのか謎でしたが、噂になっているよ、との母の言葉に愕然としました。
動揺して「なんで?」を繰り返す私に、母も答えようがなくただ苦い顔をするだけ。
でも、言われてしまっている事は事実ですし、何とかしなくてはなりません。
しかし、彼のお母さんに直接何か言ったら、もっとひどいことになるのは想像できました。
やましいことがないので無視する方法もありますが、信じてしまう人もいるかもしれないと思うとそれも怖い...。
仕方がなく、それ以降、実家には数カ月間帰らないと決めました。
半年ほど過ぎた頃、大型連休があったので、久し振りに帰省。
そのとき、彼にバッタリ会いました。
とっさに「しまった」という顔をしてしまった私に、彼は気まずそうな顔をして「ごめんね」と。
私が実家に近付かなくなった後、彼もお母さんから「遊ばれている」と言われたそう。
彼が言うには、お母さんは女性とのお付き合いがない息子を心配していたようです。
理由になっていない気がしましたが、彼がお母さんに「そもそも付き合うとかの対象じゃない!」と誤解を解いてくれたことをありがたく受け取って、許すことにしました。
その後、間もなくして彼のお母さんは亡くなってしまい、誤解が解けたのかも分からず、モヤモヤだけが残ってしまいました。
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