部屋でぐったりする母の傍らには「花」が...。「病院に行かなくても大丈夫」と言った理由とは

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:みけ
性別:女性
年齢:52
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる52歳の自営業。

部屋でぐったりする母の傍らには「花」が...。「病院に行かなくても大丈夫」と言った理由とは 30.jpg

80歳の母が身をもって教えてくれた、笑えるような笑えない話です。

園芸や家庭菜園が好きな母が作る庭には、いろいろな花や野菜が植えられています。

中でもユリの花が好きで、幾種類かのユリが植えられているのですが、私が知っているのはカサブランカだけです。

ちょうど1年ほど前、去年の4月のこと「今年はカサブランカの大きな花が咲いた」と、母が喜んでいました。

花や野菜にうとい私はピンときませんでしたが、数日後に母が大きく咲いたカサブランカ3、4輪ほど摘んできたのを見て、やっと実感が湧きました。

「キレイだねぇ」などと言いながら一緒に喜び、てっきり居間に飾ってくれるのかと思っていると、母は独り占めして自分の部屋に飾ってしまいました。

ちょっとオーバー気味に褒めたせいか、母は「あなたも自分で切って飾ってね。他のユリもあるから好きなの切っていいよ」と勧めます。

私は手入れが下手なこともあり曖昧に返事だけしておきましたが、そうしておいて良かったと軽くゾクっとする事態になったのです。

次の日、たまたま用事があって、普段は顔を出さない時間に実家を訪れました。

しかし、日中はほとんど1階の居間にいるはずなのに、その日は呼んでも返事がありません。

少し耳が遠くなってきているから聞こえないのだろうと考えて、2階の母の部屋に行ってみると...。

驚いたことに母は畳んだ布団に寄りかかり、気分が悪いと言ってぐったりしています。

薬を飲むような持病はないものの、数年に一度ひどいめまいを起こして寝込んだり入院したりすることがあるので、とっさにまためまいだと思いました。

病院に行ったほうがいいか迷っていると「ユリに当たったんだと思うから大丈夫」と言います。

当たった? 食べ物じゃないよ? 何のことかとキョトンとしていると、香りの強いユリを狭い部屋にたくさん飾ったから、その匂いに酔ってしまったとのこと。

確かに言われてみると部屋の中はユリの匂いが強烈でした。

6畳くらいの狭い部屋で、窓も開けずに長時間過ごしていたせいでしょう。

大丈夫だから、の言葉を信じて窓とドアを開けて換気をして様子を見ていると、すぐに回復したのでホッとしました。

そういえば以前、同じようにユリの香りに酔ってしまったという話を母から聞いた覚えがあります。

そのときは半信半疑でしたが、本当なんだと納得しました。

しかし、苦しかっただろうにまたやってしまう母に驚きました。

さすがに今回は落ち込んで反省していたので、もう繰り返さないとは思いますが不安も残ります。

私は匂いに敏感でもないので大丈夫でしたが、同じ様に飾らなくて良かったと考えてしまいました。

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