<この体験記を書いた人>
ペンネーム:とらとら
性別:女性
年齢:53
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。最近昼下がりのティータイムを大事にしています。
現在53歳の兼業主婦です。
もう45年ほど前の話です。
幼馴染のA子(現在53歳)の家に初めて遊びに行ったときの衝撃が今でも忘れられません。
私がまだ小学生の頃、夏前に転校してきて仲良くなったA子に「家に遊びにおいでよ!」と誘われて、私は喜んで遊びに行きました。
そのままA子の部屋に招かれて「お茶入れてきたよ」と麦茶を出されました。
夏休み直前でセミの鳴いている中、歩いてA子の家まで行ったのでのどはカラカラでした。
「ありがとう」とお礼を言いながら、すぐにグラスを取ったのですが、口に含んだとたん吹き出しそうになりました。
甘すぎて麦茶と思えない味だったからです。
その香ばしさは確かに麦茶でしたが、ビックリするほど甘く感じました。
なんとか吐き出さずに飲み干し、A子の部屋を汚さずにすんだのですが、「何これっ!」と叫んでしまい、A子の家族が心配して部屋を覗きに来たぐらいでした。
A子が何か間違えて入れたのかと思い、「A子ちゃん、この麦茶すごく甘いよ?」と聞いたのですが、A子はきょとんとした顔で「何言いよん?」と返してきました。
私は「いや、飲んでみてよ!」と差し出すと、麦茶を飲んだA子はやはり「なんもおかしいないよ?」と私を怪訝そうに見てきました。
ますます混乱して「麦茶が甘いとか初めてなんやけど」と目を丸くしていると、部屋を覗きに来たA子のお母さん(当時30代前半ぐらい)が笑いながら、「普通は麦茶って甘ないもんなんよ」とA子に言いました。
後で知った話なのですが、A子が転校前に住んでいた地域は、昔から何にでも砂糖をかけると地元で有名な場所でした。
赤飯に砂糖をかけるのも当たり前だったそうです。
A子のお母さんもその地域出身だったようで、昔からA子の家では麦茶に砂糖を入れて飲んでいたのだそう。
A子は自分が一般的ではない麦茶を出してしまったことにショックを受けたようで、私に謝ってくれましたが、私も「面白いね」と言いながら、甘い麦茶を一緒に飲み干しました。
とても印象深くて今でも鮮明に覚えていますが、それでさらにA子と仲良くなれたこともあり、今ではとてもよい思い出です。
ちなみにA子はその後、関東の方と結婚して関東に移住。
結婚や出産でお祝いに駆け付けると、お礼に渡されるお赤飯にはごま塩ではなく砂糖が付いています。
「さすがA子! ここはゆるぎないね」と他の地元の友人とも大爆笑でした。
そして私もたまにですが、麦茶に砂糖を入れて、あの子どもの時のことを思い出しながら紅茶のように飲むことがあります。
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