<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子育て中の主婦です。
私は海のある田舎町に住んでいます。
小さな海水浴場があり、磯遊びができるような岩場もあります。
今から10年ほど前、まだ一番上の娘が小学生だったころ、家族で海に遊びに行ったときの話です。
私も夫も田舎町で生まれ育ったのですが、夫は海の近くに住んでいて、子どもの頃から海で遊ぶことが多かったよう。
海のことなら俺に任せておけ、と言わんばかりでした。
はじめのうちは、娘と波打ち際で遊んだり、砂浜で砂遊びをしたりして、みんなで楽しく過ごしていました。
夫も大張り切りで遊んでいて、楽しい家族の休日になるはずでした。
ところが夫は調子に乗ったのか、岩場にはウニや小さなエビがいて面白いよ、行ってみよう、と言い出したのです。
娘は岩場に慣れていませんし、砂遊びで十分楽しそうです。
わざわざいいよ、と言ったのですが、夫の強い勧めもあり、娘を連れて岩場に行くことになりました。
その日は私も娘もラッシュガードを着ていました。
しかし、海育ちの夫は、海岸で小さな娘と遊ぶくらいならラッシュガードは必要ない、と言って海水パンツしか履いていません。
岩場をよく見ながら歩いていると、ウニや小さなエビを見つけることができて、娘も大興奮。
ごつごつした足場で娘が転ばないように、手をつないで歩いたり、岩の中をのぞき込んだりして楽しんでいました。
すると突然、後ろから夫の大きな叫び声が聞こえたのです。
慌てて振り向くと、上半身血だらけの夫が立っていました。
驚きましたが、私よりも驚いていたのが娘です。
驚きのあまり泣き出してしまい、足場の悪い岩場から娘を連れて、急いで砂浜へ移動しました。
夫に何があったのか聞くと、水深30センチほどの、フジツボがたくさんついている岩場で転んでしまったようです。
転んだだけとはいえ、フジツボがびっしりついた岩場は本当に危険。
上半身が血だらけで、転んだ怪我とは思えないような状態でした。
ペットボトルに入れた水道水で傷を洗っていると、徐々に夫の顔が青くなっていきます。
そこまでの出血ではないのですが、夫は血が苦手です。
自分の出血する様子を見て貧血を起こし、ついにはダウンしてしまいました。
当然、それ以上遊ぶわけにもいかず、夫の容態が落ち着くのを待って帰ることに...。
楽しい思い出になるはずだった海遊びは散々な結末になってしまいました。
海は任せろと張り切っていたのに、あんな姿で娘にショックを与えることになるなんて...。
一日中強い日差し、夫の手当て、貧血でダウンした夫に代わって帰宅後の片付けなど、もう海遊びはうんざりです。
あれから10年たち、今では笑い話になりましたが、海に行くのはいまだに抵抗があります。
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