<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女性
年齢:43
プロフィール:小学生高学年と低学年の2人の子どもを持つパート主婦です。
今から15年ほど前、出産まで勤めていた会社での話です。
新卒のAさんが入社してきました。
彼女は大学院で修士をとってからの入社で、年齢は私と2歳差だったと記憶しています。
ハキハキしていて、自信に溢れているタイプでした。
修士まで勉強した専門を生かした就職ではありませんでしたが、うちの会社が扱うものに興味があって志望したとのことです。
うちの会社では、正式な配属の前に1週間ずつ様々な部署で研修を行うことになっています。
彼女が私の部署にきたときは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)として私の打ち合わせにも何回か同行してもらいました。
打ち合わせ場所までの移動中、業務のこと、私生活のこと、雑談などいろいろ話しましたが、彼女は早く企画を出したい熱意が強く、非常に熱心なタイプと感心していました。
研修期間も終わり、彼女は希望していた宣伝部に配属されました。
宣伝部はうちの会社で1、2を争う激務な部署で、一見華やかですが、その内容はさまざまな関連会社との調整がメイン。
その調整に昼夜問わず対応をしなければいけないため、体だけでなく心も病んでしまう人もいました。
でも、彼女なら乗り切れるのではないか、と私は期待していました。
ですが、彼女が配属されて2カ月ほどたった頃、噂が伝わってきました。
「あの子は現場に連れて行っちゃだめ。誰に対してもタメ口なんだよ」
え? タメ口? とびっくりした私は、宣伝部の人と会ったとき、噂の真相について聞いてみました。
すると、彼女は取引先や宣伝対象である芸能人の方に、タメ口でグイグイ行くタイプのようです。
OJTのときや私に対しては敬語を使っていたのでなんでだろうと思ったら、彼女は親密な関係を作りたいために、あえて大物に対してタメ口を使っているようだ、とのことでした。
えぇ...それはまずいのでは、と引いてしまいました。
私が「周りは注意しないの?」と聞いたところ「もう注意してる。それなのに、同行した先輩が見ていないところで話しかけてるんだよ...」とのこと。
今はなるべく内勤をさせているそうで、「外と打ち合わせするときは見張ってる」と教えてくれました。
その後、久しぶりに彼女と会社であったとき、宣伝の方はどう? と聞いてみました。
すると、「とっても楽しいです! やっぱり私は宣伝だなって!」とハキハキと答えた彼女は、携帯番号を交換した取引先の人(大物)を教えてくれました。
その様子があまりにも楽しそうで、部署の人からの苦言は響いていないのだと感じました。
案の定、次の人事異動の際、彼女は異動になり、その後すぐに退職しました。
自分がやりたい仕事ではなかったのでしょう。
せっかく、不景気で就職が難しいなか、希望の会社に入ってやりたい仕事にチャレンジできたのに、「タメ口」が原因で続けられなくなるなんて...それほどまでにこだわりがあるスタイルだったのでしょうか?
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