<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くもりのち晴れ
性別:女性
年齢:65
プロフィール:78歳の夫と2人暮らしの会社員です。
現在30代の息子が中学生の頃の出来事です。
たまたま夫婦ともに仕事が休みだったため、家でのんびりと過ごしていると、固定電話が鳴りました。
受話器を取ると「お忙しいところ大変申し訳ありませんが、学校まで来てください」と言います。
声の主は息子の担任を務める20代の女性教師でした。
申し訳ありませんが、と言いつつも、来てください、と強制的な口調に少しイラっとしてしまった私。
ただ、呼び出しは初めてのことです。
何事だろうかと思い、夫(当時50代)と私(当時40代)は、とりあえず学校へ向かいました。
女性教師に面談室に通されると、仏頂面の息子が1人で座っていました。
すると、女性教師は今にも泣きだしそうな顔をして「息子さんに暴力を受けました」と訴えてきたのです。
その途端、夫は理由も聞かずいきなり息子を殴りました。
「女性に暴力を振るうとは何事だ!」
顔を真っ赤にして憤慨する夫に驚いた私はどうすることもできず、涙ながらにただおろおろするばかり。
しかし、よくよく話を聞くと授業中、提出期日を守らなかった他の生徒に対して女性教師が暴言を吐き、その生徒が泣き出したため、かばって肘で小突いただけのようです。
その生徒さんは少しのんびり屋さんでよく忘れ物をするのですが、クラスメイトも古くからいる教師たちもその子の特質をよく知っています。
これまでも取り立てて誰かが問題にすることなく平穏な学級でした。
しかし女性教師は新任で、息子から皆の前で屈辱を受けたと思い込んでいたようです。
思い出すたびに息子のことが許せなくなり、腹いせに私たちを呼び出したようでした。
その生徒の名前を聞いただけで私は事の次第が読めたのですが、いきなり殴られた息子はあっけにとられ唇をかみしめ、夫も息子に手を上げたことに混乱し、途方に暮れていました。
帰り際に、たまたま出くわした他の教員に事情を聞かれたので話したところ、その教員曰く「彼女は新任で、まだ教職にもクラスにも慣れていないので、許してやってほしい」とお願いされ、夫も私も頷くしかなく校門を出ました。
良かれと思ってした行為に難癖をつけられた息子は、おさまりがつくはずもなく、数日は先生と気まずい雰囲気になりました。
しかし、女性教師も反省したらしく、こっそり息子に謝罪し、クラスと息子に平和が戻っていったようでした。
現在は息子も3児の父親になりました。
仮にどんな理由があろうとも、暴力は絶対に許されぬ行為です。
息子も、暴力が人の心と関係を壊してしまうことを教訓にして、日々育児に奮闘しているようです。
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