<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:「親しき仲にも礼儀あり」職場においてはとても大切なことです。
今から22年前、販売の仕事をしていた私(当時30歳)は、店舗を一つ任されていました。
そのお店には、年上の部下A(当時38歳)がいました。
Aはとても朗らかな性格で、年下の私の指示にも嫌な顔一つせず、協力的に仕事をこなしてくれる、とても頼りになる仲間でした。
そんな彼ですが、私を悩ませることが一つ。
それは、若い女性スタッフを「下の名前」+「ちゃん」で呼ぶことでした。
Aはフレンドリーに接しているだけのようでしたが、いささか馴れ馴れしい部分があり、女性スタッフの多くが不快に感じていたようです。
とはいえ、年上の社員さんだから、自分たちが直接不快だと伝えることもできない...悩んだ女性スタッフたちは、店長の私から注意してほしいとお願いしてきました。
その都度、私は言葉を選びつつAに話をするのですが、しばらくの間は収まっても、ほとぼりが冷めたころにまた「ちゃん呼び」を再開するのです。
女性スタッフたちの我慢も限界に達していることに気づき、ある日、これまでよりも強い言葉でAに対して注意をしました。
「社会人の先輩として手本となるよう、全てのスタッフに対し『姓+さん』で呼ぶように」
「今後は決して下の名前やニックネームで呼ぶことのないように」
Aは明らかに不満な表情でしたが、その日以降スタッフ全員を「姓+さん」で呼ぶようになりました。
しばらく経ち、4月になり新年度。
会社全体で4名の社員を迎えることになり、私の店舗にも女性新入社員のB(20代前半)の配属が決定しました。
Bは小柄な女性で、新社会人としての初々しさを感じさせる、どちらかと言うと「かわいい」部類の女性でした。
これから社会の厳しさ、そして仕事の楽しさを教えてあげないといけないな、と上司としての使命感を私は感じていました。
新入社員研修を終えたBが私の店舗に初めて出社したその日、Bを紹介するべく朝礼を行いました。
緊張しながらも、しっかりと自己紹介をしたB。
その姿にスタッフ全員がBに拍手を送り、和やかな雰囲気で朝礼が終わりました。
しかし朝礼が終わった直後、突然Aが「Bちゃ~~ん」と言いながら、Bに近寄っていきました。
またAの悪い癖が始まったのか? それとも新入社員なら嫌がらないだろうと思ったのか?
しかし、私がAを制止するために間に入るよりも早く、Bは毅然とした態度で言ったのです。
「馴れ馴れしく名前呼びするのやめてもらっていいですか? そういうの好きじゃないんで!」
初々しさを微塵も感じさせない、迫力のあるBの一言にAも絶句してしまいました。
それ以降、Aは誰に対しても「ちゃん」呼びをやめました。
あまりのショックのせいか、元気がなくなったAに、彼の持ち味である朗らかさを取り戻すにはどうしたらいいか、しばらくの間それが優先すべき仕事になりました。
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