<この体験記を書いた人>
ペンネーム:yumekafu
性別:女性
年齢:64
プロフィール:両親の介護のため、公務員の仕事を途中退職し、現在カウンセリング&ヒーリングの仕事を楽しんでいます。
家の近くに「店員さんの声掛けや対応がとてもいい!」と有名なコンビニがあります。
どんなときでも、お客さんに「いらっしゃいませー!」「ありがとうございましたー!」とさわやかで元気なあいさつをしてくれて、レジでの対応も手際がよく親切です。
その効果だと思うのですが、いつもお客さんがいっぱいで、ほかのコンビニより繁盛している気がします。
私も、いつも元気な声が聞こえてくるこのコンビニを選んで買い物をしていましたが、今は避けるようになっています。
きっかけは6年前のある日の買い物のときです。
私(当時58歳)はいつものように買い物を済ませ、レジで会計を待っていました。
私の番になり、エコバッグを出し忘れていると、店員さん(当時30代)に「高橋(私の苗字です)さん、今日はレジ袋いりますか?」と聞かれたのです。
どうして名前で呼ばれたの? 知っているの? 名前を言い合うような知り合いではないし、自己紹介したこともないし...。
私はぎょっとしてしまいました。
返事に詰まっていると、店員さんは私が驚いていることに気づいている様子はなく、レジ袋に詰めた商品を渡しながら、「はい高橋さん、ありがとうございましたー!」とさらに追い打ちをかけたのです。
私は初めて、誰かに名前で呼ばれることの心地悪さを体験しました。
名前を覚えてもらうことは嬉しいものと思っていましたが、今回は違いました。
「怖い」という気持ちが先に生まれてしまったのです。
隣のレジで会計をしている人や後ろに並んでいる人にも、私の名前が聞こえているのかと思うと、いい気持ちはしませんでした。
「私が変なのかな? 自意識過剰かな?」
「店員さんがポイントカードの名前を覚えていて、自然に名前が出てきただけ。大したことではないし」
そう思って納得しようとしましたが、気持ちの中に芽生えた違和感と、何とも言えない怖さは消えませんでした。
その日の夜、その出来事と自分の気持ちを娘(当時18歳)に話したら、「それ、距離感の問題じゃない?」と言われました。
「その店員さんは、名前で呼ぶことでお母さんとの距離が縮まった、喜んでくれると思っていたんだよ」
「それを喜ぶお客さんもいると思うよ。でもお母さんにとっては、その距離感が心地悪いんだよね。店員とお客さんはそれだけの関係でいいんだよね。私も多分嫌だと思う」
あっさりとした説明でしたが、納得してしまいました。
「そうだ、人それぞれの距離感があるんだね。私は私で、それを不快に感じてもいいんだ」
その後も何回かその店員さんに名前を呼ばれ、さすがに私も慣れてはきましたが、やはり違和感は消えません。
「また名前を呼ばれるのは嫌だな」と思うようになり、その店員さんのレジを避けるようになりました。
すると、そんな理由でレジ選ぶ自分が面倒くさくなり、そのコンビニを避けて、ちょっと離れた別のお店に行くようになりました。
そこの店員さんは、対応も声掛けも普通ですが、私にとってその普通さが気楽で、気持ちよく買い物ができています。
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