<この体験記を書いた人>
ペンネーム:藤黄
性別:男性
年齢:42
プロフィール:子どもの頃やっていた遊びの名前やルールが、地域によって違うことって結構ありますよね。
私(42歳)と妻(36歳)がまだ結婚する前、2013年の話です。
付き合いはじめて1年ほどたち、私たちは同棲することにしました。
しかし、付き合った当初からなんとなく勘づいてはいたのですが、同棲を始めると、私と妻の価値観が全く合わないことに確信を持ちました。
私は面倒くさがりなタイプです。
例えば、洗濯した服を乾燥機にかけたら、そのまま入れておきます。
手間がかからないのが理由です。
しかし、妻はきちんと畳んでクローゼットにきれいに入れたい几帳面なタイプ。
ほかにも、私は魚が好きで妻は肉が好きだったり、私はインドア派なのに妻はアウトドア派だったりします。
「価値観なんて人それぞれだから違って当たり前」と思っていたのですが、妻には聞けませんでした。
小さな価値観の違いが積み重なって大きなストレスとなり、別れにつながりやすいと聞いたことがあったので、怖くて聞けなかったのです。
ある日、妻と2人でテレビを観ていると、ワイドショーで芸能人の離婚のニュースが流れました。
離婚の原因は「価値観の違い」だったそうです。
私はドキッとして妻の方をチラリと見ました。
妻はテレビを観ながら「まあ、いろいろあるんだろうね、夫婦って」となんだか共感しているようなことを言いました。
そこで私は思い切って、妻に価値観が違うことについて尋ねてみました。
「俺は、人によって育った環境や文化が違うから、価値観が違うことは当たり前だと思う」
そう妻に言うと、妻は少しの間黙りました。
私はこれまでの2人の価値観の違いを思い出しながら、ドキドキして妻の返答を待ちました。
「価値観が違うのは当たり前だと思うけど、全く違うのはけっこうしんどいかもね」
そう言って、妻は私を見ました。
「やっぱりそうなのか...」と思い、これから少しでも歩み寄る努力が必要だなと感じた次の瞬間、「よかったね」と妻は言いました。
驚いて妻を見返しました。
「えっ? どういう意味?」
「正直、私とあなたは価値観が全然合わないでしょ?」
私が何も言えず黙っていると、妻は続けました。
「でも、価値観は人それぞれっていう価値観は同じじゃない」
笑いながら言った妻の言葉は、私の心に突き刺さりました。
私が何を言えばいいのかよく分からないまま「ありがとう」と言うと「なんでお礼を言うの?」と妻は笑いました。
思い返してみると、乾燥機に洗濯物を入れっぱなしでも怒られたことはありません。
外食するときは魚も肉もあるお店をよく選んでいましたし、仕事で疲れたあとの休日は家にずっといることも少なくありませんでした。
価値観も考え方も趣味嗜好も全然違うのに、不思議と上手くいっていたのです。
今でも、私と妻の価値観が合う気配は一向にありません。
しかし、「価値観は人それぞれ」という共通の価値観のもと、お互いマイペースにできる範囲で歩み寄りながら楽しく過ごしています。
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