葬儀に現れた「見知らぬ女性」。生涯「モテ男」だった祖父の最後の逸話

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:けんけん
性別:女
年齢:51
プロフィール:実母(79歳)息子(12歳)の三人で、ちょっと田舎に暮らしています。

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父方の祖父(享年71歳)が亡くなったのは、私(51歳)が小学校に入った年なので44年前になります。

祖父は九州に住んでいたので、年に一度ぐらいしか会うこともありませんでしたし、男尊女卑で女の子は名前も覚えてもらえないような土地柄だったので、かわいがられた思い出もありません。

祖父はお洒落な人で、綺麗な白髪でした。

洗髪のときは玉子の白身を泡立てたものでパックをしていたせいか、つやつやの髪だったのを覚えています。

若い頃から女の人にとてもモテたそうで、父(享年76歳 、5年前に死去)の実母は父が5歳の頃亡くなっており、私の知っている祖母は後妻になります。

晩年の祖父はがんでほぼ寝たきりでした。

ですが、祖父が亡くなる半年前に後妻だった祖母(享年64歳)が亡くなり、その際に子どもたちや、その家族がみな集まったことに喜んだのだそうです。

「ワイ(祖母の名前)が久々に亡くなったから、みんな集まった!」

などと不謹慎極まりないことを言ったそうです。

「『久々』に亡くなったって、前にいつ亡くなったんや?」

父ら兄弟は突っ込んだといいます。

しかし、その半年後に祖父も亡くなってしまったので...。

「あんなことを言うから、ワイさんが怒って連れていったんやな」

と、父たちも納得していました。

これは、私が大人になってから母から聞いた話です。

祖父の通夜のとき、親族みんなでお酒を飲んで過ごしていたら、祖父の棺のかたわらで見たこともない老婦人が、「泣き屋さん」かと思うぐらいに大泣きしていたそうです。

誰も知らない人だったので、父の姉である伯母が「どちら様ですか?」と声を掛けたところ、その老婦人は「ワイさんが亡くなったら一緒になるって言ってたのに!」と言ってさらに号泣。

戸惑う親族たちの中で、伯母はそれを笑って一蹴し、その場を収めたのだとか。

モテるとは思っていましたが、祖父のように死ぬまで、死んでもモテる人もいるものなんだなと感心しました。

まあ、祖母が亡くなった後の祖父のことは伯母が監視していたので、祖父が長生きしてもその老婦人が祖父と一緒になれたかどうかは疑わしい話ではありますが。

ともあれ、この出来事も祖母にとっては面白くないですよね。

こんな夫を持った祖母に同情してしまいました。

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