抗がん剤治療といえば副作用で脱毛がおこることはみなさんご存知だと思います。
最初の抗がん剤投与から2~3週間で脱毛が始まると聞いていましたが、私の場合は10日目くらいから抜け始めました。
前回の記事:いよいよ始まった抗がん剤治療。日々の生活に辛い副作用が押し寄せる/なないお
それまでは肩を越えるくらいの長さだった髪を、抗がん剤が始まる前にすぱっとショートカットにしました。抜けるときに長いと絡まりやすいですし、抜ける量が多く見えるよりは少ないほうが精神的ショックも小さいかなと思いました。
最初はシャンプーの時に、あれ、いつもよりちょっと抜け毛が多くなったかな?程度でしたが、翌日から抜ける抜ける、いくら流しても手ぐしを通せばがっさり抜けるようになりました。キリがなく抜けて行きます。お風呂上りにバスタオルで拭けば毛だらけです。
そのままでは部屋中抜け毛だらけになってしまうので、使い捨ての不織布のキャップをかぶって過ごしました。布団も毛だらけになるので、寝ているときもかぶったままです。
キャップを変えるときに手櫛で抜け毛を落とすのですが、かつらが一つ出来そうなくらいぬけます。その頃は抗がん剤治療で体がどんどん辛くなっていましたが、気持ちはもう負けるもんかと浮上していたので、髪の毛が抜けることで思ったほど大きなショックは受けず、うわー!っと驚くばかりでした。
日々頭髪が抜けて行く自分の姿を鏡でみるのはちょっと怖かったのですが、通院や買い物などで出かけるときはそうも言っていられません。まだ帽子でごまかせるかな、そろそろ不自然かな・・・と鏡とにらめっこしていました。
抜けはじめて10日ほど経ったころでしょうか。いつまでも続く脱毛、鏡の中の私はすっかすかの頭髪で幽霊のようでした。あまりにみすぼらしい姿にさすがに凹みます。毎日の抜け毛の処理にも疲れていました。
どうせならもう全部なくなったほうが楽!そう思った私はバリカンで残った髪の毛を全部自分で刈ってしまいました。
さっぱり!!鏡の中には坊主頭の私がいます。幽霊よりよっぽどマシです。決して美しい姿ではないですが、背筋を伸ばして、「気分を変えた自分はちょっとかっこいいぞ」と自分で褒めておきました。まだまだこれから続く抗がん剤治療に立ち向かう気力を補充です。
それまでは子供たちがショックを受けるといけないので家の中でもキャップや帽子をかぶって見せないようにしていたのですが、夏だったこともあり家の中では坊主頭で過ごすことにしました。最初は驚いていた子供たちもすぐに見慣れたようです。
かつらを装着しての夏の外出は蒸れるし暑いし手入れも大変でしたが、唯一、お風呂がとっても楽でした。顔を洗うついでに頭を撫でておけば終わる!シャンプーやリンスなど髪の手入れがないのはこんなに楽なのか!と思ったものです。
体が辛く寝てばかりの日々では、できるだけいいこと楽しいことに注目しながらマイナス思考に引っ張られないように気をつけて過ごしました。
本当はそのあともきれいに脱毛してつるっつるになると思っていたのですが、バリカンで坊主にしてからなぜかぴたっと頭髪の脱毛が止まり、抗がん剤が終わるまで短い坊主頭のままで過ごしました。
その後、全身のほかの毛の脱毛が進んでいきました。まつげや陰毛もほぼなくなってしまいました。人によっては眉毛もなくなってしまうらしく、抜ける前に写真を撮って眉毛の位置を記録しておくとよいそうです。化粧で眉を描くにもなくなってしまうと位置がわからなくなるからと乳がんサバイバーの先輩に教えてもらいました。私はかろうじて眉毛は残りました。
今は抗がん剤治療が終わって1年ちょっと。髪の毛もずいぶん伸び、数ヶ月前にかつらも卒業しました。抗がん剤治療後は髪の毛の質が変わると聞いてたとおり、ストレートだったのにくりんくりんの毛が生えてきました。
これも伸びていくうちにだんだん戻ると聞いているので、爆発する髪型を抑えつつ仕事に向かっています。
>>次回へ続く
医療監修:すわやまクリニック 田島厳吾 院長
アラフィフの乳がんサバイバーです。発達障害児をふたり育てるシングルマザー。アスペルガー症候群・ADHDの娘は12歳、自閉症スペクトラムの息子は10歳。心臓病の私の父親(76歳)も同居。パート勤務、ブログなど文章を書いて暮らしています。
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