共働きの両親。小さいながらに状況をわきまえていた姪に涙ほろり

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ペンネーム:みすず
性別:女
年齢:55
プロフィール:私自身は独身ですが、4つ上の姉には4人の子供がいます。その長女である姪が1歳の時のいじらしいエピソードです。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

姉の長女である姪は、今年29歳になりました。その姪は、2人の弟と1人の妹の面倒を見ながら育っているので、優しくしっかりとした頼りになる性格です。

私の母が入院していた時は、早く元気になり退院できるようにと、神社でお守りや手首につける数珠などを買ってきてくれたり、今年のお正月には、母と私に好きな物を買ってとお年玉をくれました。とても嬉しくて今もそのお年玉をつかえず、大切に箪笥の中にしまっています。また、私の誕生日には毎年必ずお祝いのメールをくれます。

今年の4月に退院した母が歩くときは、手を取って一緒に歩いてくれました。

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そんな姪が1歳の誕生日を迎えて間もない頃のこと。私は、父を亡くしたばかりで、母との2人暮らしでした。姉夫婦は、2人とも小学校の教師で、私の自宅から車で15分位の所のアパートに親子3人で暮らしていました。たまたま、姉夫婦が2人とも泊りの仕事が入り、姪が初めて私の自宅にお泊りすることになりました。

夕方、我が家に姉が姪を送ってきました。母は仕事から帰ってきていたので二人で姪を迎えました。姉が帰る時は、まだよくしゃべれない姪は、いってらっしゃいと言葉にできないものの手を振って姉を見送りました。母は姪のために離乳食を作り、3人で夕食です。

正直、母と私は、初めて両親がいない家で夜泣きをしないかと心配で仕方ありませんでした。なるべく、姪が退屈しないようにと母と私で交代に絵本を読んであげたり、母と一緒に歌を唄うと、姪は歌に合わせて身体を左右に揺らしながら手をたたいていました。

しかし、夜23時になっても眠る様子もなく、母が先に寝入るしまつ。仕方がないので、私は一人で姪と遊んであげました。さすがに疲れたのか23時過ぎ位になると目がとろんとしてきたので、姪を抱きかかえ子守唄を唄いながら寝かしつけました。しっかり寝入った姪を布団に寝させ、母と3人川の字で眠りました。

姪は、夜泣きすることなく無事朝を迎えることができました。母は、姪のために朝の離乳食を作り食べさせ、いそいそと仕事に出かけていきました。私は、休みだったので、朝から夕方まで姪と2人です。
私が小さい頃に遊んでいたお人形を出して遊んであげたり、絵本を読んであげたり、昼は、母が姪の食事を作ってくれていたので、それを食べさせ、さらにミルクを作って飲ませてあげました。まだ、オムツをしていたので時々オムツをかえてあげたり、家の中ばかりでは退屈なので、午後からは、近くの公園に行って遊ばせました。最後まで泣きもせず、楽しそうに遊んでくれた姪。子供のいない私には、姉が迎えに来るまで、とにかく姪に怪我なく無事に過ごすことでいっぱいいっぱいだったと記憶しています。

公園から戻り、ウトウトしていたので、お昼寝をさせました。寝入った姪の顔は、とても可愛く、無邪気でした。1時間位眠った後、母から言われた時間になったので、ミルクを作り飲ませてあげました。

夕方4時過ぎ位にやっと姉が迎えにきました。姉がドアを開けて、姪の目に姉の姿が入ったとたん、一度も泣かず、平気な顔で過ごした姪は、一転ワーンと泣き出しながら姉の元に駆け寄って行きました。それから、姪は姉に抱きつき、大きな口を開け、大声を上げ、目からは涙が次から次と流れ、しゃくりながら泣き続けました。
泣いている姪を姉は優しくなだめるも、なかなか泣き止めず、そのうちに姉の目からも涙が。姉も初めて我が子と離れて過ごした夜、不安でかつ心配だったのでしょう。

そんな姉と姪の姿を見て、私の目からも涙がこぼれてきました。昨日の夜から1度も泣きもせず、私からすればなんていい子なんだと思える程だった姪。1歳というまだまだ赤ちゃんなのに、両親の仕事のことをわきまえていたのか、私と母を困らせてはいけないと思ったのか、母を恋しい気持ちを我慢に我慢を重ねていたに違いありません。我慢していた思いが、姉の姿を目にしたところで、爆発してしまったのでしょう。

1歳なのに、親を困らせてはいけない、いい子にしていないとという健気なあの姪の泣き顔は忘れられません。そして、姉の腕の中で安心しきった顔で眠った姪の顔もまたいじらしくかわいらしいものでした。

今の29歳の姪の姿を見る度に、1歳のあの姪の泣き顔を重ねてしまいます。姪にはだれよりも幸せになって欲しい。そして「貴方のような強く優しい子供を産んでね」とそう伝えたいです。

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