性別:女
年齢:54
プロフィール:なかなかピッタリの老眼鏡がなく老眼と格闘すること10年。ついに54歳でコンタクトに挑戦しました。
老眼が気になりはじめたのは、40代前半くらいからです。ですが、元々視力がよかったこともあり、当初はさほど気にしてはいませんでした。なにせ遠くは当時も今も人並み以上によく見えていて、100メートルくらい先の看板の文字を読んでは、近視の人にびっくりされていたくらいでしたから。
そのうち、どんどん近くのものが見えなくなってきて、初めて老眼鏡を買いました。それまでメガネなどかけたことがなかったので、鼻の頭や耳が痛くなり苦痛でした。
老眼が進み、40代後半で裸眼での読書はほぼ無理になりました。悲しかったのは、老眼鏡なしでは食事の内容がはっきりと見えなくなってしまったこと。お茶碗の中のごはんやおかずなど、食べ物の様子がぼやけてしまうのです。こうして、就寝前の読書や楽しいレストランでの食事には、老眼鏡を必ず携えることとなりました。
老眼になって最も困ったのは、仕事の時でした。遠くのホワイトボードと近くのパソコンモニターの遠近の切り替えが、老眼鏡ではうまくできないのです。近くのパソコン作業の時だけ老眼鏡をかければいいと思うでしょうが、作業内容によっては遠くと近くを頻繁に見比べなければならない時があり、老眼鏡をつけたり外したりを日に何度も繰り返し、そのストレスは相当なものでした。
この老眼鏡のつけ外しの苦痛をなんとかしたいと思い、遠近両用の老眼鏡を購入しました。これなら老眼鏡を外すこともなく遠くも見えるはず、と期待したのですが、やはり裸眼のほうがはっきり見えるため、老眼鏡をつけたり外したりするという状況はさほど好転しませんでした。
老眼に悩まされ、仕事にも支障をきたし暗い気持ちになっていた時、ネットで老眼用の手術があることを知りました。片目だけに施すものや、眼球に直接レンズを挿入するものなどいろいろな種類があるようです。しかしどちらも高額です。とても自分の経済状態で踏み切れるものではありませんでした。
このまま老眼鏡と仲良く暮らすしかないのか...。諦め切れない気持ちでネットを検索していると、「モノビジョンコンタクト」という記事が目にとまりました。これは片目だけにコンタクトを装着し、わざと左右の視力に差をつける視力矯正法。コンタクトを付けた片眼で近くを、付けていない片眼で遠くを見るようにするという、アメリカでは割とポピュラーな老眼対策だそうですが、私は聞いたことがありませんでした。いわゆるガチャ目の状態ですが、数カ月すると脳が認識して自然に像を結ぶ事が出来るそう。ただ、左右で視力が違うので、うまく適応できる人とめまいや頭痛がしてうまく適応できない人がいるようですし、距離感がつかみづらいので車の運転は難しいとのことでした。
この時私は54歳。コンタクトをしたことはないけれど試してみようと思い、近くの眼科へ行きました。視力検査をしたスタッフには「モノビジョンはうちではやっていません。左右の視力が違うとみんな気持ち悪くなるんですよ」と全否定されたものの、診察を担当した若い医師は「ネットかなんかで見てきたのですか?やってみましょうか」と明るく言いました。
そして慣れないコンタクトレンズの装着と格闘すること3日ほど。大袈裟ですが人生が変わりました。遠くも近くもよく見える。本もパソコンも老眼鏡なしで読め、仕事もぐんと効率がよくなりました。ただし少し視界はぼやけます。片目をつむればそれぞれ遠くと近くしか見えませんが、両目が協力して視界を作り出しています。遠近感は確かに分かりづらいですが、めまいがしたり気持ち悪くなるということは、私は皆無でした。すべての方に適応できる方法ではないと思いますが、私には合っていたようです。コンタクト代金も片方分の半分で済みます。夜はコンタクトを外すので老眼鏡生活に戻るわけですが、仕事にもおしゃれにも前向きな気持ちに戻る事ができました。
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