「仕事に対してまったく身が入っていない年上の女性。覚えが悪いばかりか、しょっちゅう早退などで仕事を休みます。とうとう私は頭に来て上司に訴えました。すると、上司から想像もしていなかった話を聞かされました」
■堪忍袋の緒が切れて上司に相談。すると...
何度教えても同じ質問をしてくる年上の同僚。
それだけではなく、休みや早退を何度かすることもあり、モヤモヤは募る一方...。
そんなある日、昼食から戻ると、彼女はまた「用事ができたので早退します」とメモだけ残して帰ってしまっていました。
イライラが積み重なっていた私は、ついに堪忍袋の緒が切れ、上司に「これでは余計に仕事がはかどらない、どうにかしてほしい」と訴えたのです。
すると、私の話を聞いた上司は複雑な表情を浮かべ、思ってもいかったことを語り出しました。
「実は彼女のご主人が体調を崩して入院していたんだ。お休みや早退は病院に行っていたんだよ」
「え...」
「彼女から、気を遣われたくないから黙っていてほしいと言われていたんだけど」
「知らなかったです...『入院していた』ってことは、もう退院されたんですか?」
「いや、先日お亡くなりになったそうだよ...」
絶句するしかありませんでした。
ご主人の容体を案じつつ仕事を覚えなければならなかった彼女は、精神的にかなり辛かったと容易に想像がつきました。
一方の私は「忙しい、手が足りない」と自分のことばかりで、周りがちゃんと見えていなかったのです。
彼女はその後、「お休みを頂いてご迷惑をおかけしました」と私に謝ってきました。
「私こそ、何も知らずにきついことを言ってすみませんでした」
共に謝り、「わからないところをもう一度確認してから進めましょう」と仕事を再開しました。
忙しいときほど周りを見て、気遣いを忘れずにいよう。
これは今でも仕事をする上で、私の心に留めている出来事です。
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