「何あれ貧乏くさい」老夫婦のマナーをバカにする残念なカップル。そこにシェフが現れて...<後編>

「フォークやナイフの使い方がわからず、戸惑った様子の老夫婦。それを若いカップルはひそひそとバカにしていました。すると、シェフが老夫婦のもとにやって来たのです」

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■シェフの神対応! そっと老夫婦のもとにやって来て...

小声で老夫婦をバカにする若いカップル。

私たちもその言葉が気になって食事を楽しめません。

そんなとき、オーナーシェフがやって来て、老夫婦に「お味はどうですか?」と話しかけたのです。

「美味しいです。でもマナーがあまり分からなくて」

申し訳なさそうに答える夫婦に、オーナーシェフはにっこり笑って言いました。

「美味しいというその言葉だけで私は十分嬉しいです。食事はマナーよりも、どんな人とどんな会話を交わしながら楽しむかが大事です」

「お食事を楽しんでくださいね」

そう言って箸を手渡したのです。

私は「なんて素晴らしい気配りだろう」と感動してしまいました。

きっとスタッフの方が、あの夫婦と若いカップルのことをオーナーシェフに伝えたのでしう。

オーナーシェフは、自分が出ていくことで「マナーは気にしなくていいですよ」という安心感を与え、若いカップルにそれ以上言わせないようにしたのだと思いました。

夫婦はお箸を使って楽しそうに食事していましたし、若いカップルも気まずかったのか、食事もそこそこに退店しました。

私たち夫婦もほっこりとして、笑顔で食事を楽しむことができました。

「また来たいね」と、さきほどの夫婦が最後に話しているのを聞いて、私も夫に「私たちもまたこの店に来ようね」と笑顔で言った出来事でした。

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