「我が道を行く後輩Aさん。私が再雇用という立場だからなのか、あらゆる忠告を無視して業務を進めます。ところが、印刷所から苦情が入ってしまいました。その後の対応はどうするかと思っていたら...」
■やり方を指摘したらとんでもない行動を起こす後任!
すると、ずっと印刷をお願いしていた印刷所からいきなり苦情が入りました。
「校正の仕方が変わったんだけど...これじゃ手間が増えちゃうばかりで...」
私が係長のとき(というよりもこれまでずっと)は、原稿を校正(誤字脱字等を修正すること)してから印刷所に渡していました。
印刷所は原稿を入力して版を作り、ゲラと呼ばれる試しの印刷を出力します。
こちらはそのゲラをチェックして必要なら修正を依頼し、本印刷に移る手順でした。
「今回からゲラにしてから校正するんだって? まるごと原稿の差し替えとかもあってさあ、入力の手間が半端なくって...」
こうした印刷所の苦情をAさんに伝えました。
Aさんは言います。
「生の原稿で見るよりゲラの状態で見るほうがチェックしやすいでしょう? 印刷所にしても校正抜きで今までより早く原稿をもらえるわけですから、スケジュールに余裕が持てると思います」
いやいや...と思いますが、Aさんは自分のやり方が正しいと譲りません。
「いや、しかし原稿の差し替えがあるんでは、印刷所はいわば二度手間になるわけですから...」
「...私のやり方で進めているだけです。...それともウジさん(私)は、印刷所と何か約束でもあるんですか?」
そう言って話を切り上げたAさんは、あろうことか広報課長(50代後半)に、私と印刷所の間に癒着の疑いがあると進言したのです。
「まさかとは思うけど、A君はきちんと調べるべきだと言って聞かんのだよ」
「調べるって? 何もありませんから私は構いませんが...」
「いや、つまりさ...入札の情報漏洩の可能性も考えられるって...」
開いた口が塞がりませんでした。
「そんなこと、あるはずないでしょう!」
「いやいや、入札結果は一応調べたけど、ウジさんが担当する前から入札結果に大きな変化はないので、問題なしだったよ」
すでに痛くもない腹は探られ済みだったというわけです。
疑いは晴れたものの、良かれと思って助言したことでこんな目に遭うのであれば、Aさんに対する助言はもう懲り懲りで、固く遠慮しようと思いました。
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