「在宅介護の末、父を看取った母。余生は自分の人生を楽しんで欲しい...。娘の私はそう願いますが、母も高齢です。父の死後、抜け殻のようになってしまった母の言葉に『老いることとはこういうことなんだ』と感じる今日この頃です」
■父の介護生活がすべてだった母...
現在83歳になった母は、一昨年の夏に父を在宅介護の末、自宅で看取りました。
当時父母は二人暮らし。
私は車で片道3時間かかるところに住んでいるため、受験生の子供を抱えてなかなか手伝いにも行くことができず、ヘルパーさんの力も借りながら、食事の世話からおむつ替えまでほとんどすべてを母一人でこなしている老々介護という状態でした。
母はこれまでも自分の両親、父の両親を介護してきた自負もあり、父が倒れて入院したときもそのまま病院に預けてしまうということを自分の中でどうしても許せないようでした。
いくら入院を勧められても自分が看ると言って聞かず、半ば強引に父を自宅に連れ帰ってきて、一心に面倒をみていました。
ただ実際のところ老々介護は心身ともにかなり厳しい日々だったようです。
力の入らない父の体はそれは大変な重さで、おむつ替え一つ取っても、年を取って小さくなった母に覆いかぶさる身体的負担は相当大きなもの。
母は背骨を圧迫骨折してしまいました。
それでもその痛みに耐えながらも、自分が看取らなければという強い意志と責任感から他人に助けを求めない母の態度に、このままでは母のほうが倒れてしまうのではないかと心配で仕方がありませんでした。
それほど父の介護が生活のすべてだった母は、父が亡くなった直後は「もう生きている意味がない」と抜け殻のようになってしまい、あとを追うんじゃないかと親戚中が心配で目を離せないほどでした。
それも半年が過ぎ1年が経つにつれ克服されたようなのですが、最近ではまた違った理由から「もう生きている意味がない」と言うようになりました...。
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