がん闘病中の67歳母が「マンション買ってん」。最後まで、私たちのことばかり考えて...<前編>

「私が第一子を出産し、初孫の誕生に母も大喜びでした。しかし、その半年後、母が末期がんであることがわかりました。いつもポジティブで家族思いだった母。そんな母が亡くなる8カ月前に突然マンションを購入したのです」

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■病身の母が突然マンションを購入。隠された思いとは...

私の母は、3年9カ月病気と共に生きた後、2年前の秋に67歳で天国に旅立ちました。

母の病気が分かったのは、私が第一子を出産し、母が初孫に喜んでから半年後のことです。

大腸ガンステージ4、肝臓と肺への転移があり、3回の大手術、13回の入院、抗ガン剤治療が続きました。

母は、病気が判明したときから一度も取り乱すことなく、それを受け止め、自分の中にできたガンに「さん」をつけ「ガンさん」と言いながら共に生きました。

そんな母が亡くなる8カ月前に突然「マンション買ってん」と言って連絡をしてきました。

「え?」と私はびっくり。

前々から一戸建てを売り、マンションを購入したいと言ってはいましたが、あまりに突然で即決だったのが母らしいとは思いました。

母は家を大事にした人で、22年経った家が思いのほか高く売れたのは、母が大事にしてきたからだと不動産屋さんにも言われました。

戸建ての価値の下がった家を残して自分がいなくなったら子どもにいろいろ負担をかける、という思いが母にはあったようです。

自分のことだけ考えればいいのにそうはいかない母。

マンションの完成まで3カ月を切ったある日、妹が母の目が黄色だと連絡をしてきました。

黄疸が出たのです。

ちょうど診察の日で「ちょっと疲れたのかな......」と言いながらそのまま入院しました。次の日、主治医から父の携帯に着信がありました。

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