「かつて4人暮らしだった実家で一人暮らしをしている母。毎日アクティブに元気で暮らしている様子に、娘の私も『母は一人で幸せなんだ』と思っていました。そう、あの日までは...」
■一人暮らしをエンジョイしている母
母は、無料パソコン講座にノートパソコンを詰め込んだリュックを背負って駆けつけたり、公民館で安価の「100歳ダンス教室」が開催されれば、「みんなで100までダンシング」と近所の友人を巻き込んで踊りまくったり、市営ホールでオーケストラのボランティア演奏会が催されれば、ちょっとオシャレして鑑賞したりと、毎日忙しく、すこぶる元気に暮らしています。
たまに母に会うと、マウスが動かなくなったのでパソコン講座の先生に尋ねたところ「電池が切れていますよ」と言われ、「えっ、電池で動いているの」と驚いただとか、オーケストラの演奏を子守歌によく眠れただとかの武勇伝? に始まり、「膝の痛みが和らぐわよ」と即席のダンスを披露することもあり、そのパワーに圧倒されます。
そして、武勇伝の締めくくりは、いつも決まっています。
「お父さんやアンタたちがいた頃は、自分の趣味の時間は持てなかった。だから今は充実している。一人のほうがいいよ、寂しくなんかないよ」
夫や子どもの世話から解放され、家庭に縛られることなく、同年代の似た環境の友人と自由気ままに第二の人生を謳歌している。確かにそれは嘘ではないでしょう。
私もずっと母は「これでいいのだ」と、「一人で幸せなのだ」と信じていました。
......そう、あの日までは。
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