「とにかく学歴よ」一人息子の「中学受験」にのめり込む妻...。ズレ始めた「夫婦の価値観」<前編>

「一人息子の中学受験で悩んでいます。息子も6年生になり、朝から晩まで勉強漬けの毎日。私はそこまでする必要があるのか、疑問に感じています。しかし、妻は「学歴至上主義」で、聞く耳を持ちません。夫婦の価値観の違いを感じる今日この頃です」

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■「息子が失敗したらどうするのよ!」と妻

「おはよう!」

「しっ! 静かにしてあげて」

朝の挨拶もできない緊張の現場、それが我が家です。

朝6時の起床と同時に勉強を始めている息子のために、ニュースも見れません。

「協力してよね、一生が決まるんだから」

妻(43歳)はきっと睨みつけながら、音を立てずに用意できる菓子パンの朝食を差し出します。

一人息子(12歳)はいよいよ小学校卒業です。

ところが我が家はお祝いムードどころか、最前線の戦闘モード。

有名私立中学校を受験する息子のために、家族の会話もままなりません。

朝は起きてすぐ勉強、学校からは塾に直行、夕食は送迎の車の中で弁当を頬張り、帰宅すると10時過ぎまで1日の復習、寸暇を惜しんでの勉強漬けです。

息子が4年生になった時、塾に通わせると妻が言い出しました。

「小学生が塾なんて...」

「何言ってるの! 中学進学する子は誰でも行ってるわよ」

「中学校は公立でいいんじゃないか」

「だめよ! しっかりした学歴のスタートは早い方がいいの、ほんとは小学校だって私立にしたかったのに...」

幼稚園を選ぶ時も、小学校入学時も、妻は私立に入れたがりました。

中学校からなら、しょうがないか......と、私が折れたこの時から、妻の中学受験プロジェクトが始動してしまったのです。

それでもまだ5年生までは塾に行くぐらいで済んでいました。

しかし6年生になると妻がヒートアップ!

受験仲間のお母さんとの情報交換もよくなかったようです。

「○○さんの所は1日8時間勉強ですって! 同じ志望校なのに、負けてられないわ」

そして息子の勉強中心の生活が始まりました。

あまりのヒートアップぶりに、つい語気を強めて言うこともありました。

「そんなにやらせなくたって! 合格ラインにはいるんだろ?」

「そうやって気を抜いて崩れた子が何人もいるのよ」

「でもなあ、こう勉強ばかりじゃ......」

「だめよ! あきら(息子の名前)が可愛くないの? 失敗して落ち込ませたいの? やらせてるこっちだって辛いんだから」

こんな会話を何度繰り返したことでしょう。

風呂の中で、男同士の話もしました。

息子が中学受験をどう思っているのか知りたかったのです。

「勉強大変だな」

すると、息子がこう答えたんです。

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