43歳、うつ病になり実家に戻った私。ある朝カーテンを開くと、そこには父が佇んでいて...<後編>

「うつ病のため実家で療養しています。父は私の病気など理解しておらず、心配もしていないだろう...そう思っていました。でも、ある朝、本当の父の思いを知ったのです。あのときの父の目は今でも忘れることができません」

43歳、うつ病になり実家に戻った私。ある朝カーテンを開くと、そこには父が佇んでいて...<後編> 21.jpg

■私の病気がきっかけで父の意外な一面を知ることに

朝と言っても早い時間に起きられなくなっていたので、8時頃だったと思います。

敷地の内側に向いた窓のカーテンを引くと、窓の下に私の部屋を見上げている父の姿がありました。

今までになかったことだったので「えっ?」と驚いて、思わずじっと見入ってしまいました。

父の方も私の気配に気付き、目が合ってしまいました。

無口で、表情にも感情を出さない父なので、何を考えているかも分かりにくいのですが、この時はちょっと違いました。

いつもの「怒っている様に見える強面」ではなかったのです。

物思いにふけっているような、カッコよく表せば「憂いを帯びた目」をしていました。

目が合っていたのはほんの1、2秒。

でも私にも、その父の目に...「とても心配してくれている」ということが、ようやく分かったのです。

後日、母にこの話をしたら、父の意外な一面を教えてくれたのです。

「お父さんはあなたの事がとても可愛くてね、どんなこともお母さんより心配してきたのよ。病気のことは想像できないだけに不安で、お母さんに病院での様子を聞いてくるんだよ」

何でも口に出す自分とは違う父の性格をあらためて思い返してみて、勝手な思い込みで余計に心配をかけていたことを、心から申し訳なく思いました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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