43歳、うつ病になり実家に戻った私。ある朝カーテンを開くと、そこには父が佇んでいて...<前編>

「うつ病を患い、実家で療養しています。父は無口な人で、典型的な『昭和の職人』タイプ。私の病気を受け入れてくれているとは思えず、ほとんど口もきかない状態でした。でも、ある朝、父の本当の気持ちを知ったのです」

43歳、うつ病になり実家に戻った私。ある朝カーテンを開くと、そこには父が佇んでいて...<前編> 21.jpg

■父との関係が息苦しくなってきた私は...

私は職場の人間関係からうつ病を患い、去年の夏に仕事を辞めて両親のいる実家に戻って療養しています。

72歳の父は建築業を営んでいます。

典型的な「昭和の職人」という感じです。

精神的な病気は理解する気にはなれず、受け入れることも難しい様子でした。

父はもともと無口ですが、実家に戻ってからはほとんど口をきいていませんでした。

私の病気について、互いに口にすることもありません。

病気のことを伝えたいのなら自分から口に出せば良かったのですが、「どうせ怠け病くらいに思って心配もしていないのだろう」と考えて話していませんでした。

母は色々と気を遣って話も聞いてくれていましたが、父への気持ちからだんだん実家に居づらくなっていきました。

生活のリズムも違うし、元気に働いている両親の姿を見ているのも辛くなり、住まいを変えようと思いました。

実家の近くに、仕事の事務所がある土地があります。

そこに建っている長屋に移りたいと相談してみました。

最初は母に反対されましたが、生活のリズムの違いがあって落ち着かないと訴えると分かってくれました。

父は何も言いませんでした。

長屋には以前にも住んでいたことがあったので、家具や家電品はそろっています。

実家の荷物を簡単にまとめて、引っ越しはすぐに済みました。

一人の生活が始まり、「快適だけど両親との距離は離れたかな...」と思い始めた、ある朝の事です。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP