「近所に住んでいたママ友の話です。ある日、突然我が家に来て彼女はがんになったことを告白しました。それからの数ヶ月、私たちにとっては忘れられない日々になりました」
■ママ友の告白に二人で泣いた日々
6年ほど前、私(46歳)と知人のYamaさん(仮名。享年42歳)の話です。
近所に次女のクラスメイトが住んでおり、その家の笑顔のかわいいお母さんがYamaさんでした。
特別、仲が良かったわけではありません。
たまにランチに行って近況を話し合う程度の関係です。
しかしある日の朝、子どもたちが小学校に登校した後、Yamaさんが突然我が家を訪ねてきました。
少しやせたな、と思ったのを覚えています。
「私、変わったでしょ」
笑顔で話す彼女に「やせたね」と返し、お茶でも飲もうかと家に招き入れました。
「突然来るなんてめずらしいね! うれしいけどどうしたん?」
「あのね...」
深刻な顔をしたYamaさんが言った言葉に驚かされました。
「実はがんになったんだ」
「...私にそんな大事なこと話していいの?」
思わず聞いてしまいました。
どうしても私に聞いてほしかったと彼女は言いました。
病状は悪く、すでにステージ5であると。
なんと声をかければいいのか分からず、二人で泣いてしまいました。
まだ3歳の子どもがいるのに、もう手術もできず助かる道がないと宣告されてしまったと。
余命が3カ月あるかないかだそうです。
それ以降はちょくちょく遊びに来ては、話をして二人で過ごしました。
少しでも楽しい思い出を作ってほしかった私は、彼女にネイルをしたり、おいしいお茶を取り寄せたり、普通で楽しい時間を過ごすことにこだわりました。
2カ月が過ぎたある日、朝からインターフォンが鳴ったので慌てて出ると、クレジットカードを持って泣きじゃくる彼女の姿がありました。
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