「古くて大きな家で一人暮らしをしていた母の安全を考え、姉と一緒に『親家片』に取り組むことにしました。すべてを終えるまで、母親の説得に始まり、それはそれはトラブル続きで...。ようやく終え、母は快適な生活を手に入れたのですが...」

■家の解体に反対する母。どう説得する?
今は築年数の浅い賃貸住宅で、快適に一人暮らしをしている80歳の実母。
ふとした時に、5年前に住んでいた家の話をすることがあります。
当時75歳の母は、古くて大きな家に1人で住んでいました。
母にとっては亡くなった父との思い出がたくさんあり、とても愛着のある家でした。
しかし、築年数は40年以上であちこちに不具合が。
壁にはヒビが入っていたり、床は水平ではなく、歩くたびにギシギシと鈍い音が鳴ったり...。
ガラス戸はうまく鍵がかからず、カーテンはボロボロでした。
さらに、半地下の駐車場がある分、玄関が高い位置にあり、家に入るのに10段以上の階段を上らなくてはなりません。
母は昔から足腰は丈夫だったため、その階段も比較的スイスイ登れていました。
しかし、冬は雪が多く積もる地域なので、階段や家の周辺の除雪のことを考えると、この先ずっとここで1人で暮らしていくのは難しくなるのではないかと思ったのです。
いろいろ考えた結果、まだ体力も気力もある今のうちにこの家を解体して、引っ越すことを提案しました。
母はしばらくはなんだかんだと理由をつけて渋っていましたが、説得するしかありません。
「あの階段を登れなくなったら、家に入れないよ。雪かきはどうするの?」
そんなセリフを呪文のように言い続けた結果、ついに母が観念してくれ(?)、解体することになりました。
そこからは全ての手続きや手配を私が請け負い、トントン拍子にことが運びました。
ただ、祖父母の代から引き継いできたものが地下と2階を覆い尽くしていたため、それらを処分するのは並大抵のことではありませんでした。
到底母と私の2人では手に負えないので、都会で暮らす実姉も呼んで3人がかりで作業に取りかかったのです。
以前から「親家片(おやかた:親が住む家を整理整頓するという造語?です)」が課題だった私たち姉妹は「とにかく捨てる」を前提に、何があってもブレないと固く決意しました。
姉が実家に到着した日は時間が遅かったので作業はせず、翌日から開始することになりました。
その日の夜のことです。
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