妹の報告にボロボロ泣いた。母の面倒をみてきた40歳の妹の結婚と、背中を押した亡き母のひとこと<後編>

「両親と同居し、病気の母の面倒を見てくれていた妹が、結婚します。私は嬉しくて嬉しくて、涙が止まりませんでした。結婚に前向きではなかった妹の背中を押してくれたものは、亡くなった母の言葉だったのです」

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■妹の幸せな門出。亡くなった母も見守ってくれていた

実家に帰って、キッチンに立っていると突然「おねえちゃん、あのさ私、来年結婚することにした」とさらっと言われ、びっくりしたのと、嬉しいのとでボロボロ泣いてしまいました。

父にはまだ言わないで欲しいといわれ、父には母の三回忌が終わってから伝えたいという意向でした。父もきっと喜ぶと思います。

その時妹が言ったのです。

「昔、おじいちゃん(母の父)が亡くなったとき、お母さんが棺の前で泣き崩れる姿見て、『お母さんこの後どうなってしまうん・・・』と心配やったけど、家に帰ったら普通に家の事をこなしてた。それが不思議で、お母さんに聞いてん。『あんな泣いていたのに、なんでお母さんは普通に生活できるの? 私やったら、ずっとふさぎ込んでしまう』って。そしたらお母さんが『家族がいるから』って言ってん。あの言葉忘れられんくてな、ずっと残ってて。お母さんが亡くなった時、お姉ちゃんが普通に家事をこなしてる姿をみて、お母さんと一緒やなって。お姉ちゃんと家族が帰るのを後ろから見送った時に、初めて『家族がいるっていいいな』って。それでも、結婚ってぴんとこなかったけど、結婚したいなって思う人が現れてん」

「家族がいるから」と言った母の一言が妹の心の中にずっと残っていたのです。

今はもう母はいないけど、母の言葉が生きていて、妹の背中を押してくれたのでした。私は嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

その夜、仏壇の前で母に話しかけました。「お母さん、嬉しいな。ありがとう」妹に幸せになって欲しい。

家族全員の願いが叶った瞬間でした。

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