かつて友人のE美さん(27)の不倫の悩みを聞いて自分も苦しんでしまったという麻衣子さん(35)。E美さんは出版社勤務で、不倫の相手は編集部の直属の上司(32)だったのですが...。
※実際に身の回りで起きた実体験エピソードに基づき構成しています。
不倫の恋は同僚や友人には話せない。
けれど、習い事で知り合った私には話しやすかったようで、「入社した時から彼が好きだったの。やっと想いが叶った!」と当初は嬉しそうだったE美。
しかし、不倫関係が深まっていくに従って彼女から笑顔が消え、「彼が私のマンションから、奥さんの元に帰っていくのがツラい...」「奥さんとも、ベッドを共にしていると思うとツラ過ぎる...」と、多いときには一日に3度も電話が入るように...。
出版社勤務のせいか、不規則な時間に電話がかかってくることが多く、日によっては深夜3時ごろにかかってくることも。
何度も電話をするのは悪いと彼女自身も思っているようなのですが、「ツラい気持ちを誰かに話していないと、どうにかなりそう...」とのこと。
私はリアルな不倫を間近で見るのは初めてで、彼女のツラい気持ちが伝染して、まるで"疑似不倫"を体験しているような気分でした。
そんな状態が3カ月ぐらい続いたでしょうか。
突然、彼女のケータイ番号が怪しいネット掲示板に載って『不倫営業中ですか?』とイタズラ電話が入るようになったというのです。
急いでケータイ番号を変えたE美でしたが、また掲示板に載せられたと連絡がありました。
そして驚くことに、「厳選した人にしか新しい番号は教えてないのに...。もしかして、誰かに私の番号を言ってない?」と言ってきたのです。
唖然としました。
私が何のために、そんなことをするというのでしょうか?
しかし、その頃の彼女は感情の波の高低が激しく、気分が落ち着いているときは「いつも話を聞いてくれてありがとうね。そして、ごめん...。迷惑かけているよね」と気遣ってくれる反面、不倫相手と会えない日が続くと「二人っきりの時間が持てないのに会社で顔を合わせるから、よりツラい...」と憔悴して電話をかけてくるありさま。
完全に社内不倫の負の沼にハマっているようでした...。
私は彼女が心配なのと同時に、だんだんツラさが伝染してくるようで自分も苦しくなっていました。
私自身も気持ち的に限界を迎えようとしていたのです。
その後、不倫相手から「妻がおふくろに泣きついたようで『子どももいるのに、不倫なんていい加減にしなさい!』と母親から激怒された」と別れ話をされたそうで、E美はあっけなく彼との破局を迎えました。
彼女もこれ以上、不倫の恋を続けるのは厳しいと分かっていたようですが、なかなか想いが断ち切れず、「彼に会わないためには、会社を辞めるしかない...。でも彼と離れたくない...」と電話口で泣きじゃくっていました。
そんな彼女の声を聞いて『不倫沼』の深さと苦しさを痛感した私です。
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