「3万円くらい出せるわよね」バイト先で新人だった私の面倒を見てくれた先輩の「裏の顔」<後編>

「13年前、書店でアルバイトしていたときの話です。新人だった私の面倒をよく見てくれたAさん。優しく、困ったときにはいつも助けてくれて、尊敬していました。ところが、一本の電話がすべてを変えたのです」

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■私に優しくしてくれた目的はまさか...

「主人に内緒で父親の借金を返している。でも、今月は返済ができそうにないので、お金を貸して欲しい」

でも...私は、その言葉が信じられなかったんです。

なぜならAさんが毎晩のようにカラオケに行ったり、子どもを留学させたりしているのを知っていたからです。

おそらく、借金は父親の肩代わりではなく、日々の贅沢や、子どもの留学費用によって作ったものなのではないでしょうか。

同時に今までAさんが私の面倒をあれこれ見てくれたのは、「折を見て借金を申し込むつもりだったのではないか」という疑惑がムクムクと湧いてきてしまったのです。

私は本能的に「ここで貸すと一生たかられる」と感じ、「我が家も貸すほどお金がない」と断りました。

するとAさんは「3万円でいいからお願い。そのくらいならアルバイト代から出せるでしょ」と食い下がってきたのです。

「3万円でいい」という台詞に、Aさんの背負っている借金の大きさが感じられるようで、私は背筋がゾッとしました。

その後も何度も借金を申し込まれた私は、1カ月後、怖くなって退職しました。

もちろん真相はわかりませんが、Aさんが優しくしてくれたのは借金が目的だったのかもしれないと思うと...13年も経った今でも気が重くなります。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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