「お腹が痛い」3日後に高校受験を控えた息子を襲った悲劇。しかし逆境を乗り越えた先に奇跡が...<前編>

「社会人の息子が高校受験を3日前に控えた日のことです。突然、腹痛を訴えたので、私は緊張していると軽く見ていました。しかし、痛がる様子が尋常ではなく、急いで救急病院へ。そして、思いもよらない病名が告げられたのです」

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■3日後に高校受験を控えた息子が緊急手術を受けることに...

息子が「おなかが痛い」と言い出したのは、3日後に高校受験を控えた日の夕方でした。

滑り止めも受けずに一本に絞ったので、緊張し始めたのかと思っていました。

ですが夜には立ち上がることができないようになり、急いでタクシーで救急対応をしている病院へ。

唸る息子の背中をさすり、「大丈夫、大丈夫」と念仏のように繰り返しました。

診断は...

「盲腸破裂による腹膜炎」

医師の説明も耳を通り抜けるばかりでした。

小学6年の秋、息子が行きたい高校を決めたときからの4年がかりの努力が次々と思い浮かび、ただただ涙が流れました。

自力で体を支えられず車椅子に乗せられ、手術室に向かう息子。

声をかけなくてはと思いながらも、手を握る以外にどうしようもなく、ひたすらに押し寄せる不安がお互いの目に浮かびどうすることもできずに見送りました。

手術中も、術後病室に入りまだ目の覚めない息子を見ていても、浮かんでくるのは後悔ばかり。

なぜおなかが痛いといったときにすぐに病院に行かなかったのか......。

目が覚めた息子が、「俺、どうなってる?」と弱々しく声を出しました。

30センチほどの開腹手術をしたことも、1週間は絶対安静だということも、手術をしてから1日が経過していることも、どうやって伝えたらいいのでしょうか。

「少し一人にしてもらってもいい?」

明日は高校受験

受けられなければ来年高校に入ることができない。

今一番不安なのは息子です。

少し売店を見てくるねと病室を出たものの、今から私が何をどうするべきなのかが全く見えず、廊下を行ったりきたりして時間をつぶすので精一杯でした。

親として、今まで受験勉強を頑張ってきた息子にどう声をかたらいいのだろう...。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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