不摂生から29歳で糖尿病に。50歳手前で目に!

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ペンネーム:はっぽーしゅ
性別:男
年齢:56
プロフィール:父は要介護4、母は要支援2ですが、近所に住む姉妹が献身的に見てくれており、そちらは助かっています。ただ自身が自堕落生活から生活習慣病のデパートで、アルコール依存症と診断されたことも。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

今はそうでもないかもしれませんが、サラリーマン社会って、お酒が飲めないよりは強いほうが、なんとなくヒーロー的な感がありましたよね。私はそういうタイプでした。飲んでやっちゃったことがちょっとした武勇伝になったり、女性がいる店でも「強いですね、すごーい」とか言われたり。

でも、なまじ飲めてしまうために毎日のように飲み続けることは、高いリスクを抱えていることも覚悟しなければなりません。お酒のもたらす危険性といえば依存症が一番に思い浮かびますが、そこまで突き進む人はそれほど多くはないと思います。より身近に潜んでいるリスクが、糖尿病です。

若さに任せて飲みまくっていた私は、29歳で糖尿病を発症しました。130を超える血糖値、8を超えるHbA1cなどにぎやかな検査結果を目にしながらも、たいして気にしていませんでした。むしろサラリーマン生活最前線の勲章みたいな気にさえなっていたものです。


なぜならこの病は、発症だけでは痛みも苦しみも伴いません。血の中の糖分が多いからといって、苦痛もなければ世間に迷惑をかけることもない。ただ問題は、「べとべとの血液」が体内を巡ることによって引き起こされる、様々な障害にあります。いわゆる合併症というやつです。

私の場合、50歳少し手前の頃に目に来ました。どこに目を向けても何か黒い点が視界に入り、うっとうしく感じていました。これが糖尿病網膜症の初期症状である飛蚊症(蚊が飛んでいるように見える症状)でした。たまたま進みつつあった老眼の相談で眼科に行った際、ちらっと漏らした一言から発覚しました。もう少し放っておくと失明の恐れがあったようで、心底ぞっとしました。原因はやはり、血がべとべとであることにあるそうです。目の裏で視神経を司っている血管は極めて細い。ここにべとべとの血液が流れると詰まってしまい、機能が失われてしまう。簡単にいうとそういう仕組みらしいです。

悪さをしている血管を焼きつぶすレーザー治療でとりあえず進行は食い止めましたが、高血糖の状態が続くといつ再発しても不思議はありません。手足の先に血が行かなくなると痛みを感じる神経がやられるし、腎臓を取り巻く細い血管も「べとべとの血液」が流れると詰まりやすい。合併症とは、こうして起こるものだそうです。

目が見えない自分、足先の傷に気付かず腐らせてしまう自分、毎週病院通いで旅行もできない自分...。ありえない悪夢を語っているのではありません。糖尿病になるとは、こういうリスクを健常者の何倍も、リアルに抱え込むことを意味しているのです。

発症の要因は単純明快、「取り込むカロリー>使うカロリー」。使い切れないエネルギー源が糖に形を変えて、血管内に溢れ出してくるイメージです。私たちに必要なカロリーは、基本的に、農作業や野外労働などに従事していた時代と変わりません。つまり、車での移動やデスクワークが中心の現代人においては、オーバーフローは必然です。そこに加えてエネルギー源であるアルコール(小学校での実験を思い出してください。アルコールとは熱源そのものです)を注ぎ込むと、どうしたって摂取カロリーの過剰に拍車がかかります。

依存症でない限り、完全な断酒までする必要はないそうです。ただ摂取したアルコール量に応じて食事量をコントロールするなど、意識することが大切です。カロリーは毎日でも毎食でもなく、1週間単位で蓄積するとダイエットに熱心な娘に教えてもらいました。私も今は、できる範囲でカロリーコントロールを実践しています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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