「もうすぐ20歳の息子と母子二人暮らしです。久しぶりに息子と本屋で待ち合わせをすることになりました。そこには、絵本がずらりと並んでおり、その瞬間、私の頭の中はタイムスリップ。幼かった息子と絵本を読んだ懐かしい日々を思い出してしまいました」
■懐かしい絵本を手にした瞬間、タイムスリップして
夕方の駅ビルの書店で、19歳の息子と待ち合わせをしていました。
久しぶりに食事に行こうと約束をしたので、「何を食べようかな?」と考えながら書店をブラブラ。
帰宅途中の学生がマンガの立ち読みをしている中に、息子の姿を探していたところ、特設コーナーで絵本のフェアをやっていました。
近寄ってみると、懐かしい名作絵本がずらり。
表紙を見ただけで、中に描かれている絵が目に浮かび、文章もすっかり覚えてしまっているものがたくさんありました。
「良い絵本は、何十年たっても変わらず愛されているんだなあ」なんて思いながら、手に取って開いてみると、息子が小さかった頃の記憶が次々に蘇ってきました。
絵本を読んだのは、いつもお昼寝から起きて少しボーっとしている時間。
窓からオレンジ色の西日が差し込んでいたイメージ。
膝に座って、柔らかい手で絵本の中の魚やウサギやワニさんを触りながら、ケラケラ笑い声を立てたり、毎回毎回、同じところで必ず大喜びしてくれたり、時には何かを思い出して、急にページをめくるのを遡ったり......。
大きくなるにつれ、声を出して私と一緒に読むことが出来るようになり、先にページをめくるようになり、文章の多い本が増え、成長につれて絵がなくなり、厚みが増し......膝には座らなくなり、手を繋がなくなり、日が沈むまで帰ってこなくなり......。
そして、中学生になると、本は楽譜に変わりました。
吹奏楽部に入り、打楽器奏者になった息子。
それからはずっと音楽漬けの毎日。
そして19歳になった今、息子は立派な音大生になりました。
そう言えば小さいとき、絵本に登場する動物や人が出す音を真似するのが、とても上手でしたっけ。
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