<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女性
年齢:55
プロフィール:2022年5月、55歳の私と2人の孫(11歳と8歳)の間に起こった感動的な出来事です。
孫たちが小学校に入学して以来、孫たちの宿題を見るのが私の日課になっています。
これは、私以外の大人は帰宅が遅くて、宿題を見ることができないからです。
そんなある日、私が体調不良で寝込んでしまったことがありました。
実は私、こういうことがちょくちょくあります。
虚弱体質に加えていくつかの持病があるものですから。
そんなときには、孫たちは自分で宿題を済ませるので、これまでは特に問題ありませんでした。
しかし、この日は違っていたのです。
いつも通り「自分でできる?」と聞いてみると「大丈夫だよ~」と返事する上の孫。
しかし、下の孫は元気がありません。
どうやら、この日は苦手? 難しい? とにかく自力では無理な問題がいくつか出ていたみたいなのです。
それで困った様子を見せていたのでしょう。
それでも私の事情を察して「自分でやってみる」と果敢に挑戦する下の孫。
しかし、どんなに頑張っても進まなかったよう。
随分時間がたった後「ばあばできない...」と、私のところにやってきました。
見てあげたいのはやまやまなのですが、この日の私はどうすることもできません。
そこで「やらずに出す? ママから先生に事情を説明してもらうよ」と伝えたところ、下の孫は首をぶんぶん回して「嫌だ」と意思表示しつつ、今にも泣きだしそうな表情に変わっていきました。
成長とともに「宿題を終わらせなきゃ」という思いが強くなったのでしょう。
「孫の思いはすごく正しい。けど、今日の私には無理...」
そんなふうに思いつつ、「どうしよう...娘に早く帰れるか聞いてみようか...」と思案し始めました。
するとそこに、上の孫が登場。
「私が教える」と名乗りを上げてくれたのです。
そして下の孫に向かって「ばあばは今日しんどくて無理なの。だからお姉ちゃんとやろう」と伝えていました。
下の孫はコクリとうなずきました。
「ありがとう、お願いね」と伝えた私に、上の孫は「ニコリ」と誇らしい笑顔で返事して、下の孫と一緒に自分たちの部屋に向かいました。
しかし、この直後、争う声が聞こえてきたのです。
下の孫の「そんなんじゃ全然分からない!」という叫び声で始まり、「じゃあ自分でやれば?」という冷静な上の孫の声が。
そして「できないから聞いてるの! 教えてくれるって言ったじゃん!」という下の孫に対して「それはお願いする人の言い方じゃないよね?」と、またまた冷静な切り返しが聞こえてきたのです。
ついに「お姉ちゃんのバカ~!」という泣き声が聞こえて来たので、「これは無理かも...」と、そんな思いに駆られる私。
いつもなら割って入るのですが、この日は傍観するしかできません。
しばらく静寂が続き、その後、再び上の孫の声が聞こえてきました。
「やるの? やめるの? お姉ちゃんはやるなら教える。やらないならそれでよし。どうするかは自分で決めて」
そんなクールな言葉が聞こえて来たのです。
対して下の孫は「...分かった。やる」と、静かな口調で返事をしていたのでした。
その後は「あ~、これね。お姉ちゃんもキライだったな~」とか「そうなの? 俺たち似てるね!」と、そんなほのぼのとしたやり取りが聞こえてきました。
その後、ときどき小競り合いのような声が聞こえつつも、ついには「できた!」の声が。
2人で協力して宿題を終わらせることができたようです。
この後すぐ、2人で私のところにやってきて「ばあちゃん、できた!」と嬉しそうに報告してくれました。
けんかしながらも、教えることをあきらめなかった上の孫。
あきらめずに最後までやり遂げた下の孫。
2人の孫の成長を実感した出来事でした。
人気記事:我が家のスマホルール。長女は守っているけれど次女は...《しまえもん》
人気記事:《漫画》義母と私の関係は良好! なのに...一歩たりとも「我が家に上がらない」のはなぜ?<前編>
人気記事:《漫画》高校受験前の夏休み。娘の幼馴染に「ある噂」が流れ...再会するとまさかの激変!?<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。