<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まるおじ
性別:男性
年齢:53
プロフィール:専業主婦の妻と大学生、中学生の子ども2人の4人家族の父です。子どもが同時に中学・大学に進学してお金も手間も大変でした...。
10年ほど前、私が以前に在籍していた職場の上司Aさんに関わる話です。
当時、私は会社の管理部門に所属していて、業績が悪化していたせいか職場の人間関係があまり上手くいっていませんでした。
毎年のように退社する社員が出ており、会社からも問題視されていたのです。
そして、私の上司はストレスから休職してしまい、急遽やってきたのがAさんでした。
それまで営業部門一筋で熱血漢だったAさん。
明るい性格でそれまでどんよりしていた職場の空気を変え、これは良い上司が来てくれた、と皆が喜びました。
しかし、Aさんはかなりクセが強い人物でもありました。
「職場の一体感を作るには上司と部下が共感できるものを持たないといけない」
それがAさんのモットーで、部下たちとの距離を詰めるのに躍起になるところがありました。
最初は頻繁に飲みに誘ってくる程度だったので、それほど問題には思っていなかったのですが、次第に部下を自分の趣味の世界にまで引きこもうとするようになりました。
Aさんは営業時代に映画会社を担当していて、Aさん自身も大の映画好き。
昔の名作から最新作まで、多数の映画コレクションを持っていました。
そして、自分のお気に入りの作品のDVDや原作小説を、部下にも勧めてくるようになったのです。
最初は職場の皆も好意的に受け止め、観た感想を言い合うなど良い雰囲気でした。
ところが、毎週のようにお気に入り作品を持ってくるので、だんだんと食傷気味になり、1人また1人とAさんと距離を置くようになったのです。
私もそれほど映画に興味があったわけではなかったのですが、役職的にもAさんのすぐ下で、年齢も近かったため断ることもできず...。
ついには私1人がAさんの映画話に付き合わされることになってしまいました。
週末になるとAさんが貸してくれたDVDを観て過ごす生活が続き、家族と外出することもままならなくなり...妻や子どもたちは不満一杯で家族の仲もぎくしゃくし始めました。
同僚から聞いた話では、以前の職場でも同じようなことがあり、ターゲットになった部下が離婚したことがあったそうです。
私も同じようになってしまうのかと不安になりましたが、Aさんが来てから2年後に私に転勤辞令が下り、映画漬けの生活から解放されることになりました。
偶然にも新しい配属先は広報部門でした。
CMの制作などで芸能界との関わりがある部署で、映画漬けだった2年間でその世界にも詳しくなっていた私は、即戦力として評価してもらうことができました。
人間、どんな経験も無駄にはならないんですね...当時は大変でしたが、今となってはAさんに感謝しています。
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