<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男性
年齢:52
プロフィール:怒りを通り越して、思わず笑ってしまうことが最近増えました。
まだ陽が昇りきらない薄暗い時間に職場へ向かう私。
もう何年も続けている早朝のルーティンは、決まったコンビニに寄り、決まった缶コーヒーを買うことです。
10年ほど前のこと、当時42歳の私はいつもどおりの時間に自宅を出発し、いつもどおりのコンビニに行くと、店内改装のため休業していました。
そういえばそうだった! と休業のことをすっかり忘れていた私。
しかし、コーヒーは飲みたかったので、いつもと違うコンビニに立ち寄りました。
早い時間だったせいか、駐車場には1台も車が停まっておらず、店内には雑誌コーナーで立ち読みをしている20歳ぐらいの男性がいるくらい。
ボサボサの頭髪と裾からはみ出したワイシャツが特徴的だった彼は、私が店内に入ったことなど全く気づかず、立ち読みに夢中の様子です。
彼のことは大して気にもせず、ドリンクコーナーへ足を向けました。
お目当ての缶コーヒーを手にしてレジに行くと、店員さんがいません。
きっと事務所にでもいるのだろうと思い、「お願いしまーす」と声をかけました。
反応がありません。
もう一度、今度は少々大きな声で「すみませ〜ん」と声をかけました。
すると、雑誌コーナーから「チッ」と、とても大きな舌打ちが聞こえました。
そして、とてもダルそうに「今行きますんで」と返事が聞こえたのです。
え? 誰の声? そう思っていると、立ち読みをしていた男性がレジカウンターに入りました。
彼はこのコンビニのスタッフだったのです。
その風貌、行為、そして彼が発した「チッ!」という舌打ち。
接客業としてどれを取っても「いや。それないわ〜」とツッコミたくなりました。
会計を終えると、彼はすぐさま雑誌コーナーに戻り、読みかけであったであろう雑誌を手に取り、立ち読みを再開しました。
翌日、いつものコンビニが店内改装を終え、営業を再開したため、私の朝のルーティンは元通りになりました。
あの不思議なコンビニには、あの日以降一度も訪れませんでしたが、通勤の途中にあるので、存在を確認することはできました。
私が缶コーヒーを買ってから約1年後、あのコンビニは閉店しました。
閉店した経緯は分かりません。
あの時の彼は深夜から朝のアルバイトさんだったのか、はたまた経営者一家のご家族だったのか、今となってはどうでもいいですが、彼にも閉店した責任があるのでは、と思わずにはいられません。
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