『妻が口をきいてくれません』(野原広子 / 集英社)第4回【全14回】
第25回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した 『妻が口をきいてくれません』(集英社)。野原広子さんが繊細な心理描写でつづり、Webサイト「よみタイ」で、累計3000万PVを突破した話題作です。ケンカしたおぼえはないのになぜか怒っている妻。話しかけても最低限の言葉しか返ってこないし、妻から話しかけてくることもない。家事や育児はやっているし、お弁当も作ってくれるのに...夫から見れば不機嫌で不可解な妻の行動。一方、妻からすると夫の家事や育児をめぐる無神経な発言にイライラが止まりません。自分の心を守るためにも「無視」という手段をとるのでした。夫婦の会話がなくなり、3日、2週間、3カ月、1年と解決策もないまま時は過ぎていくばかり。2人の視点から見えてくる、それぞれの感情。お互いを尊重しあうことの大切さが感じられます。
※本記事は野原広子著の書籍『妻が口をきいてくれません』(集英社)から一部抜粋・編集しました。