寄崎まりを先生のエッセイ 「生き物を家族にお迎えするということ」
かわいいペットの動画を見ていると、自分でも飼ってみたくなりますよね。
ペットをきっかけに会話が弾んで家庭の雰囲気が明るくなったり、家族の関係性が改善したりすることも、よくあります。
動物が私たちに与えてくれるものは計り知れません。
しかし動物を飼ううえで大変なことも、当然あります。
毎日エサを与えたりお掃除をしたりと、お世話をしなくてはなりません。
また、人間と同じように年を取るので、介護が必要な場合も。
寿命を全うするまで責任を持って飼うためには、「自分のライフスタイルに合った動物をお迎えすること」が重要です。
どんな鳥種をお迎えする?
では実際に鳥さんをお迎えする場合、どんな子を選べば良いのでしょう。
鳥さんは種類が多く、性格や特徴が違います。
性別によっても特徴は異なり、一般的にオスは歌やおしゃべり好きな子が多く、メスはマイペースでお気に入りの人に懐く傾向があります。
なお、メスは1羽で飼っていても発情すると卵を産んでしまうため、管理が必要です。
さらに、飼う数によっても違いがあります。
1羽で飼う場合、人との絆は強くなる傾向がありますが、お留守番はきっと寂しいでしょう。
複数で飼う場合、鳥同士でコミュニケーションを取れますが、人が鳥さんの変化に気付きにくい場合も。
ヨーロッパだと社会性のあるインコなどは複数羽で飼わないといけないと、法律で決められている国もあります。
お迎えする鳥さんを決める際、まずは以下の点を考えてみましょう。
・寿命
・声の大きさ
・ケージや放鳥時に必要なスペース
特に寿命に関しては他の動物より長生きする種類もあるため、お迎え前に必ず調べてください。
初心者の方におすすめの鳥種
初めて飼う方におすすめの鳥さんを紹介します。
【スズメの仲間】
・ブンチョウ
寿命は8〜10年くらいで、声は小さめ。
水浴びが好きな子が多く、オスはダンスとさえずりも好き。
おしゃべりは不得意です。
ケージは一辺が20~35cmくらいのものが良いでしょう。
飼いやすく、初心者の方に特におすすめです。
・キンカチョウ
寿命は約6~8年。
声は小さく、特徴的な「ペイ」という鳴き声は聞くだけでなごみます。
体も非常に小さいため、飼う場合は些細な変化にも気付いてあげなければなりません。
ケージは一辺が20~30cmくらいのものが良いでしょう。
【オウムの仲間】
・セキセイインコ
寿命は10年前後。
声は決して大きくなく、オスはおしゃべり上手な子が多いです。
体も比較的小さいので、ケージの大きさは標準サイズ(一辺が30~40cmくらい)で良いでしょう。
真菌(カビ)や寄生虫を持っている子が多いため、お迎え時には必ず健康診断を受けましょう。
・オカメインコ
寿命は15年くらいとされていますが、いま病院に通っている子で39歳の子がいます!
臆病な子は物音や地震でパニックを起こすことも(通称オカメパニック)。
オスは歌が上手で声がよく通るため、寂しくて呼び鳴きをしてしまうと少し大変です。
ケージの大きさは一辺が40×50cmくらいのものが良いでしょう。
長生きしてくれた時のことも考えて、お迎えしてください。
・コザクラインコ、ボタンインコ
寿命は約12~15年。
おしゃべりや歌はあまり得意ではありませんが声は甲高く、けたたましく鳴くとかなり賑やかです。
コザクラインコの性格は明るく愛情深いため、常にペアとくっついています。
人がペアになった場合、自分以外に注意が向くと嫉妬する子も。
また、メスはテリトリー意識が高く、テリトリー内では攻撃的で咬まれることもあります。
ボタンインコも愛情深いのですが、マイペースで神経質な一面も。
ケージの大きさはセキセイインコやオカメインコと同じくらいのものが良いでしょう。
鳥さんの深い愛情を感じてみたい方におすすめです。
最後まできちんと愛せるのか、お迎え前に考えて
それぞれの鳥種の主な特徴を紹介しましたが、1羽ごとに性格は異なります。
たとえ懐いてくれなくても、噛まれたり大きい声を出したりしても、最後まで責任を持って鳥さんを愛せるのか。
お迎えする前に、いま一度考えてみてください。
また、セキセイインコやブンチョウは比較的安価で手に入りますが、医療費は他の動物と同様にかかります。
動物病院にもよりますが病気の場合、初診料1万円以上、手術となれば10万円単位の金額がかかるケースもあるので、万が一に備えることも必要です。