紫外線は一年中降り注いでいる! 日焼け・日焼け止めクリーム/身のまわりのモノの技術(19)【連載】

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近年は美白ブーム。しかし、少し前には「ガングロ」系の人気が高かった。ほんとうにファッションとは移ろいやすい。そうはいっても、夏の海に似合うのは、いつの時代も小麦色の肌。だが、太陽の紫外線でむやみに焼いては、肌へのダメージが大きい。そこで利用されるのが日焼けクリームである。

ところで、「日焼けクリームを塗ったのに、全然焼けなかった」という話が聞かれる。それは日焼け止めクリームと間違ったからだろう。「止め」が入るか入らないかで、効果が全く違う。

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日焼けクリームと日焼け止めクリームの違いを理解するために、まず太陽から放射される紫外線の性質を調べてみよう。紫外線とは光より波長の短い、すなわちエネルギーの強い電磁波だが、その性格からUV - A、UV - B、UV -Cの3種に分けられる。Cは大気で遮断されて地上には届かないため、日常生活で考えなければならないのはA、Bの2種である。Bのほうは波長が短く強烈で有害であり、肌に炎症(サンバーン)を起こさせる。Aは波長が長く穏やかで、肌を日焼け(サンタン)させる。小麦色の肌は日焼けである。そこで、「日焼けクリーム」はBを妨げ、Aだけを通すクリームなのである。一方、「日焼け止めクリーム」はAもBも両方妨げるクリームである。

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一概に「日焼けクリーム」や「日焼け止めクリーム」といっても、製品によって効き目は異なる。それを分類したのがSPF、PAで表される指標である。SPFはUV - Bの、PAはUV - Aの防止効果を示している。SPFは50までの数値で、PAは+ プラス、+ツープラス+、+スリープラス++ の3段階で表示される。どちらも数が大きいほど防止効果が大きくなる。ただし、塗り方によって効果は大きく異なる。説明書にしたがって丁寧に塗ることが大切である。

ちなみに、UV - Aは一年中降り注いでいる。また、雲やガラスを透過するため、曇りの日や室内にいる場合でも肌に影響を与える。紫外線に弱い人は、十分注意しよう。

涌井 良幸(わくい よしゆき)
1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。現在は高校の数学教諭を務める傍ら、コンピュータを活用した教育法や統計学の研究を行なっている。
涌井 貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程を修了後、 富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校の教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。

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「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」
(涌井良幸 涌井貞美/KADOKAWA)
家電からハイテク機器、乗り物、さらには家庭用品まで、私たちが日頃よく使っているモノの技術に関する素朴な疑問を、図解とともにわかりやすく解説している「雑学科学読本」です。

この記事は書籍「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」(KADOKAWA)からの抜粋です。

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