家はホっとできる空間であって欲しいから、できれば料理はおいしく、衣類は清潔で、部屋は片付いていているといい......。理想を言えばその通りですが、忙しい現代人にとって、家事は"できでば楽に、早く済ませたいもの"ではないでしょうか。
『忙しくても家事を楽しむ小さな工夫』の著者である家事のプロ・田中千恵さんは、夫と子ども3人、犬と暮らしながら、近くの父を介護中。仕事を持ちつつ、家事のすべてを担当しています。1日24時間のうち、5時間は睡眠、9時間は仕事。忙しい毎日の中で残りの約10時間をどう工夫しているのか、そのコツをのぞいてみましょう。
無駄な時間を省き、美意識を磨く!
第一は「先を見越した『仕込み』で、結果的に無駄な時間を省く」こと。
例えば、朝の時間は誰にとっても忙しいもの。洗濯、ゴミ出し、お弁当や朝食作り、仕事の準備、学校の支度......。でもここに作り置きした茹で野菜、常備菜、あらかじめ用意しておいただしがあれば、料理関係はグッと楽になるといいます。これらは夜や休日の空いた時間に多めに仕込んで冷蔵・冷凍保存しておき、朝は火を通すだけ。ご飯はあらかじめ給水させておいた米を土鍋に入れて火にかければ、炊飯器より早く炊きあがるそう。
一見面倒なようですが、一度の仕込みで何食分もまかなえるので、実は時短を目指す人が必ずおさえておきたい家事のツボなのです。
第二は「美意識を磨く」こと。
こればかりは一朝一夕にできないと思うかもしれませんが、難しく考えず、まずはできるところからスキルを上げればいいそう。
例えば器使い。気に入ったお皿、カップ、かごなどを使うことで、普段の料理が驚くほどおいしそうに見えます。シンプルなワンプレート料理も、お皿が素敵だと心が躍りますし、かごは花器としてはもちろん、収納にもなるので便利です。
何より好きな物、自分らしい一品を工夫して使うようになると、心が満ち足りて、生活の満足感が上がるのだとか。ものを選び抜くことで、無駄な買い物をせず節約にもなり、また同居人がいるなら、家がスッキリすることで、人間関係がよくなることもあるといいます。
身に付ければ効果は絶大の二つのコツ。あなたもぜひお試しを!
文/青柳寧子
『忙しくても家事を楽しむ小さな工夫』
(田中千恵/KADOKAWA)夫と子ども3人、犬と暮らす著者が、仕事をし、近くに住むの父を介護しながら、少ない時間で家事を楽しむコツを紹介。等身大で自然体、押しつけがましくない提案が好評の一冊です。